2021年11月15日
ご存知ですか?令和4年1月改正される電子帳簿保存法に今すぐ対応するためのポイント大塚 和彦 Kazuhiko Ohtsuka
リックソフト株式会社の大塚でございます。
日本文書情報マネージメント(JIIMA)のDXコンセプト立案委員会に所属し活動をさせていただいております。
令和3年度の税制改正において、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)」の改正等が行われ、令和4年1月1日に施行されようとしています。
コロナ禍によってリモートワークに対応した帳簿や帳票、書類の取扱に追われ、令和4年1月に改正される電子帳簿保存法への対応が遅れてしまっているという状況かと思います。個人的には少しくらい延期してほしいと感じています。
当社にも多くの企業から相談をいただいておりますが、まず何をしなければならないのかを整理したいと思います。
業務工数の削減を含む業務の効率化(生産性の向上)、書類・文書の管理コストの軽減などを目的として定められたものです。
しかしながら電子データ化された書類の健全性を担保するために「真実性の確保」「可視性の確保」が要求されます。
この要求事項にもとづいて令和4年1月1日施行されるポイントは以下となります。
まず電子帳簿保存法で対象となる電子データですが、イメージとして図.1にある「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3つに分別されます。
(図.1)
項目 | 改正後の要件 | |
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緩和される事項 | 税務署長の事前承認制度の廃止 | 事業者の事務負担を軽減するため、事前承認は不要とされました。 (電子的に作成した国税関係書類を電磁的記録により保存する場合についても同様です。) |
電子データの検索要件の緩和 | ①取引年月日、取引金額、取引先により検索ができること ②税務職員の質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの要求に対応できるようになっていること |
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規制強化される事項 | 訂正・削除履歴への規制 | 「真実性を確保」するために訂正・削除を行った場合の証跡がとれること。 |
電子データの紙保存の制限 | 電子データで授受されたものは紙保存は禁止する。 電子データ保存の義務化 |
今回の改正によって影響を受けることを主に2点です。
前述の「改正されるポイント(緩和される事項と規制強化事項)」にて、以下の事項が業務・承認プロセスに影響を受けます。
今回の改正では電子データは紙保管が禁止(図.2)されました。もし企業組織のなかで紙保管前提のプロセスで業務運用している場合は影響をうける可能性があります。
改正前
(令和3年12月31日以前) |
改正後
(令和4年1月1日以降) |
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(図.2)
では影響をうける一例をお話させていただきます。
以下の例(図.3)の場合、電子データを紙媒体に変換して情報保管までのプロセスが運用されています。今回の改正では電子データを紙媒体で保管することは禁止されていますので、現状のプロセスでは保管までたどり着くことができません。
そのため業務・承認プロセスはともかく、保管・保存までのプロセスは別プロセスで運用することになります。
紙媒体が前提のプロセス |
今回の改正によって影響をうける可能性(例) |
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(図.3)
前述の「改正されるポイント(緩和される事項と規制強化事項)」にて、以下の事項が電子データの保管・保存に影響を受けます。
「1.電子データの検索要件の緩和」については条件が緩くなったので、改正前の検索要件をクリアしている場合は影響を受けませんが、電子データで取引する書類が範囲に入っていなければ、それを対象範囲に加えなければなりません。
単純にファイルサーバーに保管するだけでは要件を満たすことはできません。例としては以下のような対応があります。
項目 |
要求事項 |
対応案 |
---|---|---|
電子データの検索要件の緩和 | 取引年月日、取引金額、取引先で検索できればよい | 3つの案をいづれかを行う。
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訂正・削除履歴への規制 | 訂正・削除履歴が証拠として提示できること |
3つの案をいづれかを行う。
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電子データの紙保存の制限 | 電子データは紙媒体で保存してはならない | 2つの案をいづれかを行う。
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最初に電子帳簿保存法は業務工数の削減を含む業務の効率化(生産性の向上)、書類・文書の管理コストの軽減などを目的としているというお話をさせていただきました。
これに対応するのであれば、以下(図.4)のように電子データに対応したプロセスで運用するのが望ましいです。
(図.4)
ですが、プロセスの変更まで含めた対応をするには時間もありませんので、すばらく対応する方法を考えてみました。
以前にブログでも紹介させていただいた「Alfresco 便利な機能のご紹介:Alfrescoでらくらくメール管理」に記載されている受信されたメールに添付されたファイルを直接取り込んで振り分ける機能の紹介をさせていただきました。
その機能から機械学習(AI)で属性付与もしくはタグ付けして、その電子データを、これも以前に紹介させていただいた「Alfresco 便利な機能のご紹介:スマートフォルダを使ってみよう!」の機能を使って、電子帳簿保存法の検索要件を満たすことができます。
イメージとしては以下のようになります。
対応できる内容 |
対応イメージ(例) |
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ビジネスプロセス、法令遵守(ガバナンス)、保管期限管理(ライフサイクル管理)も提供されています。 |
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Alfrescoはコンテンツサービスという分類に位置付けされるソリューションでオンプレミス型のソフトウェアです。
法令遵守(ガバナンス)やビジネスプロセスへの対応も可能です。
対応できる内容 |
対応イメージ(例) |
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WorkatoはiPaaS(アイパース)という分類に位置付けされるソリューションでSaaS型のサービスとなります。
ノーコード、ローコードで400種類以上のアプリケーションと連携・統合できますので、今回の電子帳簿保存法への対応だけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応にも幅広く活用できます。
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留意事項:本ブログ記事の内容は執筆者の見解であり、日本文書情報マネージメント(JIIMA)の見解ではないことをご留意ください。
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