2025年01月29日
年間で約3分の1のライセンスコスト削減が実現!?|アトラシアン製品のユーザー棚卸しを楽にするアプリ「D-Accel」について鈴木(リックソフト プロダクト&サービス開発部) suzuki.shota
リックソフトに2023年に新卒採用で入社した、プロダクト&サービス開発部の鈴木です。わたしたちプロダクト&サービス部は、アトラシアン製品を使っているお客様の課題を楽にする・解決するプロダクトを日々開発しています。
最近では、多くの企業がIT費用の増大に直面し、コスト削減に頭を悩ませているという話を耳にする機会が多いです。ITコストの削減は、最近の企業の経営課題だと感じています。
企業のITコスト削減手法はいろいろあると思いますが、ソフトウェアライセンス最適化のために、導入済ソフトウェア製品のユーザーの棚卸がその一つとして挙げられます。
ソフトウェアライセンスの最適化とは、使用していないソフトウェアライセンスを見直し、必要なもの費用のみを支払う組織にするということです。
ここで、Atlassian Cloud製品(クラウド版のJiraやConfluence)をご利用されている方・管理されている方にお聞きします。ユーザー棚卸しは、どのくらいの頻度で実施されていますでしょうか?
よく聞くのは、離職者や退職者への対応としてその都度棚卸しを行うケース。しかしそのほかに、各ユーザー部門に利用状況をヒアリングし、使用されていないユーザーのライセンスを解除することで、無駄なコストを削減できます。
しかし、毎月何十人も中途採用者を受け入れ、また退職者を見送るような大規模な組織だと、ライセンスの実質的な利用状況を把握する"ソフトウェアライセンスの最適化"は容易ではありません。
そんなお客様の課題から、リックソフトはユーザーのアクティビティを全体的に確認しながら、効率的にAtlassianアカウントの棚卸できるアプリ「D-Accel(ディー・アクセル)」を開発しました。
弊社リックソフトからライセンスをご購入いただいているお客様には、無期限で無償提供しています。
Atlassianアカウントの棚卸しがどれほど効率化するのか、Atlassian Cloud上の手動操作と比較しながらご説明します。
今回は以下のシナリオに基づいて、通常のAtlassian Cloudでの操作手順とD-Accelを利用した場合の手順を比較して説明します。
ある企業では、Atlassian Cloud上でJira Premiumプランを利用しており、1100ユーザー分のライセンスを契約しています。
しかし、実際には3ヶ月以上Jiraにアクセスしていないユーザーが月ごとに7~20人見つかっている状態です。
管理者は直近3ヶ月以上アクセスのないJiraユーザーの製品アクセスを毎月見直し、不要なJiraの製品アクセスを取り消す必要があります。
1.admin.atlassian.com にアクセスし、対象の組織を選択
2.ナビゲーションバーの「ディレクトリ」を選択してユーザー一覧ページを開き、右上の「...」をクリックし、「ユーザーをエクスポート」を選択
3.ユーザー「組織内のすべてのユーザー」、ユーザーのステータス「すべてのユーザー」、追加データ「製品アクセスと役割」を選択して、ユーザーをエクスポート
4.CSV形式でユーザーリストがメールで送信されるので、受信したメールからリストをダウンロード
5.CSVデータを確認し、直近3ヶ月以内にアクセスがなかったユーザーをExcelを用いて特定
CSVから直近3ヶ月以内にアクセスがなかったユーザーを特定する方法は色々あると思いますが、筆者はExcelを用いて特定をしました。
CSVファイルを文字化けに注意してExcelでユーザー一覧を開き、データタブのフィルターでカラム名「Last seen in Jira - (組織名)」の欄で直近3ヶ月よりも前の年月日と「Never accessed」を選択してフィルターして特定
6. 5で特定した非アクティブなユーザーを1件ずつメールアドレスで検索して該当ユーザーの「詳細を表示」をクリック
7.特定したユーザーのJiraの製品アクセス権限を削除
このようにAtlassian Cloud上での操作では、1件づつメールアドレスを検索してJiraの製品アクセスを削除しないといけないのでとても時間がかかります。
1.ホーム画面から「ユーザー棚卸」を選択
2.期間を「過去3ヶ月」に設定し、棚卸し対象のサイトを選択して検索ボタンをクリック
(サイトは複数選択することが可能です!)
3.検索したユーザー一覧をさらにフィルタリング
今回はJira(Jira Software)のアクセスについて確認したので製品アクセスのカラムで詳細を開き、Jira Softwareのフィルターを「有効」を選択
4.次にアクティビティのカラムで詳細を開き、Jira Softwareのフィルターを「非アクティブ」を選択
5.フィルターで絞り込まれたユーザー一覧を確認し、該当ユーザーを選択後「製品アクセスを取り消す」ボタンをクリック
a.フィルターで絞り込むことによって、直近3ヶ月以上Jiraにアクセスがなかったユーザーを特定できています。
アクティビティのカラムがアクティブになっていますが、このカラムはどれかひとつの製品でもアクティブな場合にはアクティブと表示されます。
となりのJira Softwareカラムで最終アクセス日が表示され、Jiraにアクセス権がない場合は空欄になります。
b.フィルターで絞り込んだユーザーを全選択、もしくは特定のユーザーを選択した後、「製品アクセスを取り消す」ボタンをクリック
6.ポップアップが表示されるのでJira Softwareを選択
Jiraを選択するとConfluenceも自動で選択されました。
この場合、JiraとConfluence両方のアクセス権を持つ製品アクセスグループに特定したユーザーが含まれていることを表します。
製品アクセスグループの詳細表示のトグルをオンにして詳細を確認します。
製品アクセスグループの詳細表示のトグルをオンにすると、各製品にアクセス権を持っているグループが表示されます。
詳細を確認した後、取り消しボタンを押せば製品アクセスの取り消しは完了になります。
7.製品アクセスの取り消しが完了した後、確認用のメールが送信されます。
このメールには、製品アクセス取消結果に関するCSVファイルのリンクが含まれています。
CSVファイルからどのユーザーの製品アクセスを取り消したのかを確認できるので、作業の証跡を残したり、作業の結果を関係者に共有する際にに役立ちます。
Jira Premiumプランで年間1,000ユーザーライセンスを利用している場合、年間で約1,570万円の費用が発生します。
棚卸しによって10%の100ユーザーが非アクティブであると判明し、これらのライセンスを調整した場合、年間で約200万円のコスト削減が可能です。
中にはライセンス数とユーザー数が30%近く乖離があったというケースもありました。
二つの操作を見比べると、D-Accelを使用することで、ユーザー棚卸しに要する時間が大幅に短縮されることがわかります。
項目 | 手動で棚卸をする場合 | D-Accelを使う場合 |
---|---|---|
約1000ユーザーの棚卸をする場合 | 毎月30分かかる | 5~10分 |
作業内容 | CSVファイルのダウンロードと解析が必要 各ユーザーごとに製品アクセス権を手動で削除 作業ミスのリスクも... |
D-Accelのダッシュボード画面で必要な条件を選択するだけ。 非アクティブなユーザーを簡単に特定し、複数ユーザーの製品アクセスを 一括で削除できます。 |
このように、わたしたちが開発した「D-Accel」を活用して、ライセンス数を適切化し、運用者のコスト削減につながれば幸いです。
今回ご紹介したユーザー棚卸しは旧組織の環境ではConfluence Cloudだけではご利用いただけず、IdP(Identity Provider)管理されたグループは旧組織・新組織ともに製品アクセスの取り消しができないという制約があります。(サポートドキュメント ユーザー棚卸しの利用条件より)
次回のブログで、この制約を解消する方法を解説します。
D-Accelはお客様の声をもとに継続的に改良を重ねており、最近はユーザー棚卸しの自動化を追加しました。ぜひ一度お試しください。
詳細ドキュメントや製品紹介デモのお申し込みはこちらから気軽にお問い合わせください。
コラボレーションツール「Confluence」についてじっくり知りたい方向けの製品紹介ページ
Confluenceについてもっと知るタスク管理ツール「Jira Cloud」についてもっと知りたい方向けの製品紹介ページ
Jiraについてちゃんと知る自然とITILのお作法に沿ったITサービスマネジメントが実現する「Jira Service Management」についてちゃんと知りたい方向けの製品紹介ページ
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アトラシアン社ではサポート範囲外となっているサードパーティ製のアドオンをリックソフトのサポートではサポートします。
リックソフトのサポートは開発元が提供するサポート以上の価値があります。
ツールを導入しただけでは成功とはいえません。利用者が効果を感じていただくことが大切です。独自で制作した各種ガイドブックはツール活用を促進します。
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