2024年12月05日
一人でスクラムは組める?Jiraのスクラムテンプレートで1年間プライベートの個人目標をアジャイルに管理してみたレポ堀田(リックソフト マーケティング部) hotta
日本政府も行政サービスのデジタル化を推進するうえで積極的に採用している「アジャイル開発」。その中でもスクラム開発は良く取り入れられる手法です。
リックソフトが販売する「Jira Cloud」は、スクラム開発に必要な機能がぎゅっと詰まった「スクラムテンプレート」を搭載しています。「非エンジニアの私でも、このテンプレートを使えばアジャイル開発を疑似的に体感できるのではないか」と考え、1年間プライベートの個人目標をスクラム方式で管理してみました。そして結果的に見えてきたのは、アジャイル開発の"本質"に迫る意外な課題でした。
もくじ
Jira Cloudが提供するスクラムテンプレートは、エピック、ストーリーおよびタスク、サブタスク、ストーリーポイント、ベロシティ、スプリントプランニング、プロダクトバックログおよびスプリントバックログなど、アジャイル開発で使われる概念を視覚化し、数値を自動で算出する機能が備わっています。
このテンプレートを使えば、初心者でも簡単にアジャイル開発を体験できます。
スクラム開発のためにホワイトボードやふせんを買ってきて、ホワイトボードの白さをメンテナンスしたり、粘度が落ちて床に散らばったふせん(しかも足跡つき)を「どこにあったんだ?」と戸惑ったりする必要はもうないのです!
アジャイル開発は、迅速に変化に対応できる柔軟なプロジェクト管理手法です。従来のウォーターフォール型(数か月~数年単位で計画し、設計→開発→テスト→リリースの順序で進む開発手法)と異なり、アジャイルでは短いサイクルでプロジェクトを進行し、逐次的に改善を繰り返していくことを重視しています。この手法は、環境の変化に強く、「ユーザーが本当に必要としている機能」をすぐ開発して提供できる点です。グローバルのIT企業はほとんどアジャイル開発で進めていると言われています。
その中でもスクラムは、スプリント計画(どのスプリントでどんな機能を実装するか)、スプリントレビュー、レトロスペクティブ(振り返り)といったスクラムイベントを繰り返しながら進めていくことが特徴です。これらのイベントはチームでの協力を前提にしていますが、今回は個人でこれをどう活用できるか試みました。
まず、エピックに管理したい目標をジャンルわけしました。具体的には「体脂肪管理」「資格取得」「ジュニアNISA」。実際に設定してみると、「体脂肪を27%以下にする」「ITIL4ファウンデーションの資格を取得する」などの具体的な目標は達成しやすいのですが、曖昧な目標(「子どもの金銭教育」「健康に生きる」「病気にならない」など)や長期的な目標は管理が難しいことがわかりました。
各エピックをさらにタスクおよびストーリー、そしてサブタスクに分割しました。スプリント期間中はカンバンボードでタスクを確認し、ドラッグ&ドロップでステータスを管理していました。
この過程では、小さなゴールを設定することで進捗が見えやすくなり、モチベーションを保つのに役立ちました。
ただし、個人の場合、サブタスクタスクが多くなりすぎると全体像が見えにくくなるという課題もありました。
(途中からエピック単位で見るカンバン(図)、サブタスク単位で見るカンバンの2通りを往復して使っていたためかもしれません)
最初の3か月は、1スプリント28日で始めました。1スプリントが長いため、計画と実行にズレが生じがちでした。
スプリント期間を2週間に短縮してみたところ、目標と実績の乖離が小さくなりました。しかし、スプリント期間が短くなればなるほど、スプリントプランニング(=この2週間で何をやるかのひとり会議)の回数が増えます。ひとりなので、ひとりスプリントプランニングが面倒になってきます。いいかげんにスプリントプランニングをやった場合、そのスプリントは非常にお粗末な結果になりました。(図:スプリント9と13と14)
ひとりで進めていると意思決定に客観性が欠けてしまい、結果的にスコープの変更も頻発します。だから、やっぱり複数人でやることに意味があるんですよ、スクラム開発は!!
スクラムを組むことには限界があると実感しました。(実際にスクラム開発のもととなったラグビーでも一人じゃスクラム組めないですしね)
「スクラムの本質は複数人チームでの協力とコミュニケーション。これがないと本来のアジャイル開発の強みを活かすのは難しい」という結論に至りました。もちろん、Jiraのスクラムテンプレートを使ってひとりでアジャイル開発されているブログなども見ますが、少なくとも、わたくし堀田には無理でした。
それでも、Jiraのスクラムテンプレートを活用することで、タスク管理スキルや目標の可視化は大いに向上しました。
「この期間は見積もり甘かったな」と反省する一方、「そういえばこの期間はプライベートで余裕がなかった」等の言い訳も一緒にしてしまいます。
ただ、ひとりでは限界がある。真のアジャイルな働き方には、やはり「チーム」で「まとまる」のがよいのです。
Jiraのスクラムテンプレートは非常に便利で、個人でも十分に使えるツールです。
ベロシティを安定させるのが目的ではないものの、ベロシティが安定しない自分に自分で納得できます。
またエピックを完了させたときは素直にうれしく、達成感が得られます。バーンダウンチャートがきれいに描けているときの自分にも満足できます。本当に、個人でやるのは、自己満足の世界です。
アジャイル開発の本質を活かすにはチームが不可欠であるということを実感できました。
これからアジャイル開発に挑戦しようと考えている方には、ぜひJira Cloudのスクラムテンプレートを使って試してみてください!
リックソフトは支援メニューも用意していますし、ユーザー数が増えたときに起こりがちな問題のナレッジも溜めています。Jiraを使ってみて、困ったことがあったらぜひお気軽にお問合せ下さい。
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