2024年06月19日
ITSMツール Jira Service Management Cloudの新機能紹介「内部メモの閲覧制限」ができるようになりました武田 啓子 keiko.takeda
――本ブログは、Jira Service Management の管理者向けの新機能紹介記事です――
カスタマーサポートにおいて、問い合わせを受ける「エージェント」や、エージェントがエスカレーションした課題に対応する「コラボレーター」の一部のメンバーだけで、情報の確認をしたいときがあります。まだリリースが発表されていない新機能など、共有したくない情報がかかわる場合、関係メンバーだけを集めたチャットツールやメールなどにコミュニケーションの場を移す必要がありました。
この、"Jira Service Managementから別のツールに移動してのコミュニケーション"は、当事者にとっては認知コストを要します。
あとで「あのときの話はSlackでしたっけ?メールで確認したっけ」と、確認した情報を探す手間も発生します。
この度、こういった手を解決する、コメント閲覧制限の機能が、Jira Service Management Cloud(以下、JSM)でも利用可能となりました。
*本機能は Jira Cloudの「企業管理対象プロジェクト」でも有効になっている機能です。
本記事では
を紹介していきます!
エージェントやコラボレーターとやり取りするための内部メモの閲覧権限を、特定のロールやグループに制限することができます。
課題の内部メモにコメントを入力後、右下鍵アイコンから閲覧を許可するプロジェクトロール、またはグループを選択して保存します。
保存すると、許可されたロール・グループ内のメンバーのみが、追加したコメントを閲覧できるようになります。
閲覧制限の範囲は、下記のシステム設定により「ロールのみ」か、「グループとロール」から選択可能になります。(※ Jira 製品管理者以上の権限が必要です)
ただし、JSM だけでなくサイト上の全ての製品・プロジェクトに反映されますので、ご注意ください。
設定方法
既定値:「プロジェクトロールのみ」
プロジェクトロールで権限管理を行っている場合、制限を設定する際に混乱を防ぐために、「プロジェクトロールのみ」に設定しておくことをお勧めします。
実運用で活用できるシーンをいくつか考えてみました。
退職情報を人事内で把握はしていたとしても、社内に公表するまでは口外してはいけないことがありますよね。
その場合は、同じチームのエージェントロールにのみ閲覧制限をかけて、退職予定の社員が担当していた問い合わせチケットの引き継ぎ作業を行うと良いです。
個人住所の変更や、給与など機密性が高い人事関連のやりとりについても、閲覧制限が有効です。
人事部内での限られたメンバーで対処すべき内容は、閲覧制限を設定しておくと良いでしょう。
★ ITILとは?ITILに準拠したITサービスマネジメント(ITSM)を導入する方法-リックソフト-
★ ITサポートとは? 業務の種類や社内導入時の注意点を解説-リックソフト-
ヘルプデスクに寄せられるシステム不具合の問い合わせに対して、エージェントがコラボレーター(開発メンバー)に調査依頼をすることもあるかと思います。コメント数が多い場合、情報が切り取られて誤解される可能性が高まります。重大なバグ情報や新機能のリリーススケジュールなどは、開発メンバーロールにのみ閲覧制限を設けることでミスコミュニケーションを防ぐことができます。
内部メモに全てのやり取り履歴を残すことは、過去の内容を確認する上で非常に便利ですね。権限制限をうまく活用して、運用に取り入れてみてください。
前述通り、本機能はJira と Jira Service Management どちらも企業管理対象プロジェクトで利用可能です。
まだ使ったことがない方は、ぜひお試しください!
本機能は2024年5月にリリース済みです。まだお持ちの環境に機能が反映されていない場合でも、今後1~2ヶ月以内に反映されると思われます。
詳細は アトラシアンサイト(New! Restrict your internal notes to project roles or groups) でも公開されています。
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