リックソフトブログ

2024年04月05日

Trello(トレロ)の業務利用、どのプランを選べばいいの?

Author

古守 komori

古守</mt:Var>

  

こんにちは、リックソフトのプリセールス担当、古守です。

タスク管理ツール「Trello(トレロ)」は、全世界の登録ユーザ数が5000万人を超える人気ツールです。
Freeプランは、クレジットカードなどの支払い情報の登録なしで利用を開始でき、ユーザー数の制限も無いため幅広い用途で活用されています。

しかしながら、このたび開発元のAtlassian Corporationから、TrelloのFreeプランにて、ワークスペースに追加できるコラボレーターを10名までに制限する旨のアナウンスがありました。
この制限は、下記の日程で段階的に適用されます。

  • 2024 年 4 月 8 日(米国時間)
    Free プランのワークスペースに既に 10 名以上のコラボレーターが含まれる場合、新しいコラボレーターを追加できなくなります。
    コラボレーターを追加するには、有償プランにアップグレードするか、コラボレーターの数を上限内に減らす必要があります。
  • 2024 年 5 月 20 日(米国時間)
    Free プランのワークスペースに 10 名を超える数のコラボレーターが含まれる場合、当該ワークスペース内のボードは閲覧専用となります。
    ワークスペース内のボードの参照は可能ですが、ボードを編集するにはプランをアップグレードするか、コラボレーターの数を上限内に減らす必要があります。

参考:Trello Free プラン (無料版) 仕様変更のお知らせ(アトラシアン社サイト)

この変更を受けて有償プランを検討されている方も多いと思いますが、有償プランにもStandard、Premium、Enterpriseの3つがあり、どのプランを選べばよいか迷うところです。

今回はTrelloの各プランの違いについて説明します。

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Trelloの構成

最初にTrelloの構成を簡単に説明しておきます。

Trelloでは、ユーザが自由にワークスペースを作成して複数のボードを管理できます。

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ボードはカンバン形式のビューになっており、リストを追加してカードを登録できます。

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ワークスペース・メンバー

ワークスペースに参加しているユーザを「ワークスペース・メンバー」と呼びます。

ワークスペースには「管理者」、「標準メンバー」の2つのロール(役割)があります。
Premium以上のプランではロールの管理機能が提供されており、メンバー毎にロールを割り当てることができます。
Free、Standardプランにはロールの管理機能が無いため、すべてのメンバーが「管理者」と見做されます。

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ボード・メンバー

ボードに参加しているユーザを「ボード・メンバー」と呼びます。

ボードには「管理者」、「メンバー」、「閲覧者」の3つのロールがあります。
すべてのプランでボード・メンバーに対して「管理者」、「メンバー」のロールを割り当てることができますが、「閲覧者」ロールの割り当てができるのはPremium以上のプランとなります。

ゲスト

ワークスペース・メンバーになっていないボード・メンバーはゲストと見做されます。
ワークスペース内の1つのボードにのみ参加しているゲストを「シングルボード・ゲスト」、2つ以上のボードに参加しているゲストを「マルチボード・ゲスト」と呼びます。

ゲストはワークスペース管理者に対して、ワークスペース参加のリクエストを出すことができます。
リクエストが承認されるまでワークスペースでは「参加保留中」として扱われます。

参考:ワークスペース メンバーシップをゲストとしてリクエストする

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コラボレーター

ワークスペース・メンバー、ゲスト、および参加保留中のユーザをまとめて「コラボレーター」と呼びます。

有償プランの主な違い

Trelloの有償プランは、Standard、Premium、Enterpriseの3つがあります。
細かい違いは下記のサイトにてご確認ください。

参考:Trello 最適なプランを選ぶには(公式)

ここでは、有償プランを選択する際の判断基準となるライセンスの適用範囲と主な機能について紹介します。

Standard・Premiumのライセンス体系

TrelloのStandard、Premiumプランではワークスペースとプランの契約が1:1で紐づきます。
ライセンスの請求対象となるユーザは、ワークスペース・メンバーとマルチボード・ゲストです。シングルボード・ゲストは無償でボードを使用できます。

例えば、1人のユーザが3つのワークスペースにメンバー(またはマルチボードゲスト)として参加している場合、各ワークスペースで1ライセンスずつ消費します。

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<TIPS>

Freeプランでは、1つのワークスペースに追加できるボードは最大10個、コラボレーターは最大10名に制限されますが、Standard以上のプランでは、1つのワークスペースに上限無しでボード、コラボレーターを追加できます。
ワークスペースを分ける必要が無ければ、複数のワークスペースを1本化して有償プランを適用することでライセンスコストを抑えることができます。

参考:Trelloサポート | ボードを別のワークスペースに移動

StandardプランとPremiumプランの違い

StandardプランとPremiumプランの機能面での大きな違いは、ワークスペースのロール管理機能の有無です。

Free、Standardプランではワークスペースのロール管理機能が無いため、すべてのワークスペース・メンバーが管理者と見做されます。
このため、ワークスペースに参加しているユーザは、誰でもワークスペースにメンバーを招待でき、公開ボードも作成できます。

Premium以上のプランでは、ワークスペース・メンバーに対して「管理者」、「標準メンバー」のロールを割り当てることができます。
管理者に割り当てられたユーザは、ワークスペースに対して以下のような制限を掛けることができます。

  • ドメイン指定によるワークスペース・メンバーの招待制限
    指定したドメイン以外のメールアドレスに紐づくユーザをワークスペースに招待できないように制限します。
  • ボードの公開範囲の制限
    ワークスペース・メンバーによるボードの公開範囲を制限します。
  • ボードの削除制限
    ボードの削除を無効化、またはワークスペース管理者のみに限定します。
  • ボード・ゲストの招待制限
    ボードに招待できるゲストをワークスペース・メンバーのみに制限します。
  • ワークスペース・メンバーの無効化
    指定したワークスペース・メンバーのワークスペースとボードへのアクセスを無効化します。
    ※アカウントは有効な状態で残ります。

Enterpriseプランのライセンス体系

Enterpriseプランを契約すると、Enterprise管理者向けのダッシュボードが使えるようになります。

Enterprise管理者は、管理者向けのダッシュボードを使って、組織の 管理対象アカウント が管理しているワークスペースを検出して、Enterpriseに追加できます

Enterpriseのライセンスはアカウントに直接紐づけられ、ライセンスが付与されたユーザはEnterpriseに追加されたワークスペースに参加できます。
また、シングルボード・ゲスト、マルチボード・ゲストは追加費用なしでボードを使用できます。

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Enterpriseに追加されたワークスペースではPremiumプランと同等の機能が使えます。また、Enterprise管理者向けのダッシュボードでは、Enterprise追加済みのワークスペースに対する各種権限を一元管理できます。

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まとめ:プランの選び方

ワークスペースに10名以上のコラボレーターを追加したい場合、Standard以上のプランを選ぶ必要があります。

ワークスペースのロール管理機能、様々なViewや自動化機能を使って、Trelloをよりセキュアで効果的に活用したい場合はPremium以上のプランとなります。

PremiumとEnterpriseでは、ワークスペース、ボードで使える機能に大きな違いはありませんが、下記の観点からどちらを選ぶべきか判断できます。

■費用対効果

Premiumプランのワークスペースを複数運用しており、各ワークスペースでライセンスを消費するユーザが重複している場合、1ライセンスで複数のワークスペースに参加できるEnterpriseプランの方がトータルのライセンス費用が安く収まります。
また、Premiumプランではマルチボード・ゲストは1ライセンス消費しますが、Enterpriseプランではライセンスを消費しないため、追加のコストがかかりません。
外部との協業などでマルチボード・ゲストの数が多くなる場合、Enterpriseプランがコスト面で有利になる可能性があります。

■セキュリティ性

Trelloでは、ユーザによるFreeのワークスペース作成を制限できません。
このため、Premiumプランを契約してワークスペースに制限をかけても、ユーザがFreeのワークスペースを作成して、セキュリティ上望ましくない使い方をしてしまう懸念があります。
Enterpriseプランでも、ユーザがFreeのワークスペースを作成できる点に変わりはありませんが、Enterprise以外のワークスペース(Free、Standard、Premium)を検出できるようになっています。
検出したワークスペースをEnterpriseに追加することで、統一されたセキュリティや権限設定を施し、ガバナンスを利かせた運用ができます。

Enterpriseプランを導入しても特段のコストメリットが無く、ユーザがFreeと有償プランのワークスペースを区別して運用できる場合、Premiumプランがオススメです。
現在ユーザが使用しているワークスペースを把握して、システム的に制限をかけたい場合は、Enterpriseプランをご検討ください。


直感的な操作で簡単に使えるTrelloですが、プランの違いは少しわかりづらいと思います。
本ブログがプランを選ぶ上で一助になれば幸いです。

今回は、有償プランの主な違いを説明しました。
Trello Enterpriseの機能をフル活用するには事前準備が必要となります。次回はEnterpriseプランの必要性と初期設定についてもう少し掘り下げて説明したいと思います。


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