2024年08月19日
Atlassianのチームプラットフォーム「Atlas 」で目標管理をしてみよう廣田 隆之 Takayuki Hirota
6月のブログ「【OKR運用のヒント付き】 Jira Cloud で OKRの管理をやってみた」では、目標管理フレームワークのひとつである OKR の概要と、Jira Cloud の OKR アプリをいくつかご紹介しました。
今回は、Atlassian が2022年に発表した Atlas (アトラス)を使って、設定した目標とJiraで管理する課題をシームレスに連携して管理する方法をご紹介します。
この記事の目次
Atlas の製品紹介、最近実施された変更点(2024年5月)は Atlassian 公式の情報もご参照ください。
公式ホームページの説明によると、「Atlas は初めてのチームワーク ディレクトリです。作業場所がどこであっても、チーム、チームのアプリ、作業全体をつなぎます」とあります。チームワーク ディレクトリとは何でしょうか。
筆者が考えるに、これまで Jira や Confluence など、様々な場所で行われているチームの仕事をつなぐハブのような役割を果たす製品だと感じています。今年の春に開催されたイベント Team '24 でも、Atlas は単体の製品という枠を飛び越え、Atlassian プラットフォームに組み込まれるとの発表がありました。
なお、Atlas は現在進行形で進化中のため、ご利用の環境によって、ユーザーインタフェースや利用方法が異なる可能性があります。
後述の画面は、プラットフォーム エクスペリエンス アーリー アクセス プログラムに参加済みの Atlassian サイトの例です。
Atlassian Home で「プロジェクト」や「目標」が利用できるようになっているので、今回は「目標」機能を使って、製品開発チームの OKR を設定します。
Objective と KR は先日のブログで示した例を使用することにしましょう。
O | 世界中のユーザーに使われる製品になる |
---|---|
KR | ウェブサイトへの訪問者数が10000ユーザーに到達 |
KR | 評価版ダウンロード数が1000に到達 |
KR | サブスクリプション契約数が100に到達 |
最初の目標を設定します。OKR の O (Objective,目標)に相当するものです。OKR は四半期ごとに設定するのが一般的なので、期日を7-9月としてみます。
続いて、KR に相当する目標をサブ目標として追加していきます。画面右側にサブ目標のメニューがありますね。
同様の手順で残りの2つの KR も追加します。一通りの OKR 設定が終わると以下のようになりました。
参考:目標とは_ _ プラットフォーム エクスペリエンス _ アトラシアン サポート
あとは、それぞれの目標に対して定期的に最新情報を投稿していくだけです。
画面の入力項目はステータス(順調、リスクあり、遅延)とコメントのみの簡素なものですが、シンプルで直感的に利用でき、必要十分でないかと思われます。
280字の字数制限もあるため、投稿内容をシンプルにまとめる技術も養われそうです。
ワークスペースの設定では、目標スコアの評価方法を変更できます。
OKR として利用する場合は、「ステータスとスコア」を利用すると良いでしょう。
最新情報の投稿画面は以下のようになります。
ステータスに加え、スコアも10段階(0.1〜1.0)で入力できるようになりました。
非常にシンプルながら、OKR ツールとして活躍してくれそうですね!
さて、ここからが真骨頂です。Jira の課題と目標を紐づけることにより、チームワークを更に後押しします。
Jira プロジェクトのサイドバーに「目標」というメニューがあります。
クリックしてみると、Jira の課題とリンクが必要とありますね。目標は「エピック」とリンクさせることができます。Jira 上で「エピック」を作っておく必要があります。
画面の指示に従い、Jira エピックと目標をリンクさせてみましょう。
現在、画面のチームのバックログには目標に貢献できそうなエピックがいくつかあります。
エピックとAtlasの「目標」の紐づけは、Jiraの課題画面上で行います。
エピックの課題画面の「アプリ」ボタンから Link goals をクリックし、エピックと紐づける目標を選択します。
*Jiraの「タスク」「バグ」「ストーリー」課題画面からは「Link goals」への紐づけができません。
(2024年8月現在の画面です。今後変わる可能性があります)
Jira 課題と目標のリンク状態は、「目標」の画面からも「貢献している Jira 課題」として確認できます。
「この目標を達成するための Jira 課題は何か?」「この課題は、どんな目標を達成するためのタスクなのか?」といった、課題と目標の関連性がひと目でわかります。目標とタスクが紐づいた瞬間です。
Jira 課題と目標がリンクされると、Jira プロジェクトの目標画面は以下のようになります。
これで、いつでも Jira 上で目標を確認しながら、チームで仕事を進めることができますね!
OKR 専用ソフトウェアと比べると、Atlasは例えば、OKR の更新時に数値入力できない、トレンドをグラフ表示できない、など少々物足りない点もありますが、Atlassian プラットフォームのネイティブ機能として目標管理が利用できること、Jira と簡単に連携できることのメリットは大きいと感じました。
今後も進化を続けていくことは間違いないので、新しい機能やユーザー体験に期待しましょう。
また、今回は紹介しませんでしたが、プロジェクト機能では、組織で実行中のプロジェクトを登録し、最新のステータスを短文形式で投稿できる機能が提供されます。プロジェクトの最新状況を共有できるシンプルなツールです。目標機能同様に、便利な機能ですので、機会があればご紹介したいと考えています。以下の画像はプロジェクトの運用例です。
参考:プロジェクトとは_ _ プラットフォーム エクスペリエンス _ アトラシアン サポート
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