2024年01月08日
【2024年版】ノーコード開発の基礎知識|メリットや開発ツール、注意点を解説【リックソフトの導入ユースケース付き】堀田(リックソフト マーケティング部) hotta
ノーコード開発とは、プログラミング言語のコーディングなしでシステムやアプリを開発する手法を指します。
従来のシステム開発では、Java, Python, PHP, C言語 といったプログラミング言語でソースコードを書いてシステムを構築する事でユーザーの要求を満たしてきました。ノーコード開発というのは、グラフィカル・ユーザーインタフェースな開発を利用する事で要件に合ったシステムを構築する試みです。
同じような言葉に、「ローコード開発」(Low Code)があります。こちらはコーディングをゼロベースで行うのではなく、ツールの力を借りてコーディングをしながら開発をすすめる試みです。
ノーコードは一切コーディングが必要ないのと比べ、ローコードはコーディングが部分的に必要となってきますが、従来よりかなり少ないコード量で開発が進められます。
2024年現在、AIにコーディングを手伝ってもらって開発するというプロンプトエンジニアリングも注目されています。こちらも見方によってはノーコードあるいはローコードに分類できます。
ノーコード開発・ローコード開発はなぜ注目されるのでしょうか。一番の大きな理由に「コーディングができる人材不足」が挙げられます。
ビジネスの素早い変化に対応するためにアジャイル・プロセスなども実施されていますが、システム開発に必要なコーディングが出来る人材の確保がおおきな課題になっています。経済産業省が公表した「IT人材の供給動向の予測」によると、ITニーズの拡大とIT人材の供給人数があっておらず、2030年までにIT人材の不足が予測されています。
そこで注目されるのが、コーディング能力が乏しくてもシステムやアプリケーションが開発できるノーコード・ローコードツールです。
企業のDX(デジタルトランスメーション)推進の立役者として、多くの企業で部門・部署単位のクラウドサービス導入が進みました。ビジネス部門が「ある機能が欲しい」と要望があった場合、従来であれば外部の開発企業に依頼しスクラッチで開発していましたが、現在はその機能を満たしたSaaSサービスが見つかれば、契約するだけで導入できるのです。
企業が導入するクラウドサービスは、SaaSサービスは勤怠システムやビジネスチャットのように、企業の全体単位で使うものだけでなく、営業支援システムなど部署単位で導入しているクラウドサービスがあるという状況です。
クラウドサービスに保管されたデータはクラウドサービスごとに独立しています。アプリにたまったデータをCSVダウンロードをして突合することも多いと思いますが、クラウドサービス同士でコーディングなしで連携できるものもあり、ノーコード・ローコードでの開発が着目されるようになりました。
調査機関であるGartnerも、2024年までに世界で開発されるアプリケーションの65%がノーコード・ローコードの開発基盤で構築されるという予測を出しています。
ノーコード開発を行うメリットはコーディングをする場合比べて、リリースまでの開発期間を短縮できる事と、ビジネスの変化に素早く対応できる事です。
プログラミング知識を持たないビジネス・ユーザーが自分の要求に有ったシステムをセルフサービスで実装できる事です。さきほどの例で、SaaS同士の連携が該当します。「このSaaSの情報(例・ユーザ情報)と別システムのデータを同期する」などの要望と仕様、ワークフローが構築できるのであれば、自力で設計ができます。
社内に自社システムの開発リソースがない組織である場合、従来であれば、開発を外部に委託する必要がありました。
社内のユーザー部門がノーコード・ローコードツールを使って開発を自力で行うようになれば、この外注コストはそのまま削減することができます。
開発はエンドユーザー(ビジネス・ユーザー)が行います。要件が変わって改修が有ったりしても、利用する部署の方の人が修正してくれます。エラーが有った時の対応もエンドユーザーが行うので、開発者の工数を減らすことができます。
従来のシステム | ノーコード・システム | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|
ビジネス ユーザー |
エンジニア | ビジネス ユーザー |
エンジニア | ||
要件定義 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ビジネスユーザーとエンジニアが協力して問題の解決方法を検討して、方針を決定します。この部分は従来のシステムもノンコーディングも変更ありません。 |
実装・テスト | ◎ | ◎ | ○ | 従来のシステムでは実装とテストはエンジニアの作業となりますが、ノーコードの場合はエンジニアは技術支援のみとなり、主担当はビジネスユーザーになります。 | |
受け入れテスト | ◎ | ◎ | ◎ | △ | こちらも主担当はビジネスユーザーとなり、エンジニアはサポートのみとなります。 |
改修 | △ | ◎ | ◎ | △ | こちらも主担当はビジネスユーザーとなり、エンジニアはサポートのみとなります。 |
エラー対応 | △ | ◎ | ◎ | △ | システムで発生するエラーで最も多いのは、ビジネスロジックのエラーです。ノーコードの場合は、エラーの調査をビジネスユーザーが実施できます。 |
プログラムを作るよりも簡単にできるので、ビジネス部門の「こんな事が実現できるシステムがあったらいいのになあ」という理想論から実装するまでのスピードが気軽で容易です。そして、修正も用意なので継続して修正して改善していく事ができます。
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ノーコード・ローコード開発の注意点として、「開発プラットフォームに依存する」ことが挙げられます。例えばそのプラットフォームの提供が終了すれば、開発したものを更新できなくなったり、最悪の場合脆弱性対応のサポートを受けられなくなることもあります。
簡単に開発しやすい分、スクラッチ開発で開発したときよりも自由度が下がる可能性もあります。複数領域にまたがる開発は、各所関係者との調整をしたあとに、「やっぱりできなかった」ということも起こりえます。
現場が手軽に実装できるがゆえに、社員が各自バラバラにシステムを開発することが起こりえます。情報システム部は、それの管理が大変です。
SaaSが部署単位で導入され、シャドーITが発生したように、情報システム部が管理しきれない「シャドーノーコードシステム」が発生する恐れもあります。
リックソフトは、Workato (ワーカート)というノーコードのツールを活用しています。
Workato のメインの機能はシステム間の連携を自動化する事です。iPaas (integration platform as a service)とも言われています。企業向けのツールです。
リックソフトにはスクラッチから開発した業務システムが殆ど無く、ビジネスはクラウドのSaaSやパッケージ製品で実現しています。そのため、ニーズとしてはシステム間の連携が多いのです。
Workato で自動化を実現する場合「レシピ」という物を作ります。このレシピは下記の様に処理のフローを GUI で作成する事ができます。画面左側が処理のフローで、全体の流れを組み立てます。
ループや if 文などの分岐もこちらで組み立てます。下記の例は Salesforce の情報を Jira に連携するレシピです。レシピは「Salesforce にデータが作成された」「Jira で課題がクローズされた」など、アプリケーションで発生したイベントを起点にして処理を開始する事ができます。
リックソフトの Workatoの活用事例
条件分岐も下記の様に GUI で設定できます。
Workato導入のメリット:レシピ単位での管理体制
冒頭に記載した通り、ノーコードを利用した場合の短所は以下かと思います。
Workato はエンタープライズ向けのプラットフォームとして設計されているため、上記の課題に対応する機能が用意されています。Workato は自動化の実装を「レシピ」という物を作って実現します。
このレシピの管理が重要になりますが、管理者であれば全てのレシピを確認する事ができます。個人用のフォルダーに入ってしまって、確認できない様な事は有りません。また、Dashboard というレシピの稼働状況、エラーの状況を管理する機能が有ります。
ノーコードですとプログラムを作るよりも簡単にできるので「こんな事できたらいいね」という話から「じゃあ、やってみよう」という事になります。
そして、修正も用意なので継続して修正して改善していく事ができます。アジャイル的に、業務を改善していくことができているなと実感できています。
Workato はエンタープライズ向けのプラットフォームとして設計されているため、上記の課題に対応する機能が用意されています。Workato は自動化の実装を「レシピ」という物を作って実現します。
このレシピの管理が重要になりますが、管理者であれば全てのレシピを確認する事ができます。個人用のフォルダーに入ってしまって、確認できない様な事は有りません。また、Dashboard というレシピの稼働状況、エラーの状況を管理する機能が有ります。
プラットフォームとしてサポートされていない機能についてはworkato の場合色々と手段が用意されています。
先ず、用意されているアクションでの実現が難しい場合は、ユーザーが Ruby でスクリプトを書いて利用する事ができます。
Workato は Salesforce, Slack, Jira と言った人気の SaaS 製品 / アプリケーションののコネクターは標準で提供されているので、これらのアプリを利用する場合は簡単に自動化ができます。
DX化を目的としてKintone(キントーン)、SmartDB(スマートDB)を導入されている・またはこれから導入しようという企業も多いのでしょうか。それらをお使いの方は、Workatoとデータ連携できるコネクタをリックソフトは開発しております。
業務ワークフローの自動化にも一役担うWorkato、ぜひ導入を検討ください。
製品について詳しくはこちらをご覧ください。
WorkatoWorkatoを試してみたい方はこちら。
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リックソフトのサポートは開発元が提供するサポート以上の価値があります。
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