2019/12/23
テストツール・カンファレンス:Tricentis Accelerate 2019 Vienna澤田 深雪Miyuki Sawada
20℃近くになる暖かい日も記録しながら、だんだんと東京の気温も冬らしく下がってきました。Ricksoft澤田です。そんな寒さが徐々に深まる中、オーストリアはウィーンにて開催された Tricentis Accelerate 2019 Vienneというカンファレンスに参加してきました。
ウィーンすでに朝は0度まで下がり、ホテルの窓を開けるとても冷たい風がスーッと部屋の中に入りこみます。息を吐くと当然ながら白くなり、真冬を一足先に体感もしてきました。今回はこちらのカンファレンスについて書いて行きたいと思います。
テストツール市場のマーケットリーダーであるTricentis社の最新情報と、海外のソフトウェアテストツールの最新情報を得るため
※パートナーのみに開示される情報もあるため、本ブログではダイジェストのみ紹介します。(Tricentis社の製品を検討するうえで、詳しい話を聞きたいという場合は相談ください)
会社名 | Tricentis |
---|---|
設立 | 2007年 |
所在地 | オーストリア・ウィーン |
従業員数 | 500名以上1000名以下 |
業種 | Software Testing, Test Automation, Mobile Testing, Cross Browser Testing, Web Services Testing, SAP Testing, Agile Test Automation, Synthetic Test Data, Manual Testing, API Testing, DevOps testing, Test Case Design, Risk based optimization, Continuous Testing |
市場ポジション | テスト自動化市場(出典:ガートナー社):Gartner Magic Quadrant for Software Test Automation 2019 |
2018年2月ごろ、当時テスト管理ツールqTestを開発販売していた(旧)QASymphony社と弊社はパートナー契約を結び、日本での販売を開始しました。そして2019年1月中旬、Tricentis社とQASymphonyは経営統合し、会社名はTricentisとなることが正式に発表されました。
テスト管理ツールqTestは弊社が2009年より日本国内で販売しているAtlassian社製品のプロジェクト管理ツールであるJiraと連携しており、qTestからバグをJira課題として作成したり、qTestで作成したテストケースとテスト結果をJiraの課題に反映することもできます。そういった経緯からqTestを販売するようになりました。
カンファレンス名 | Tricentis Accelerate 2019 Vienna |
---|---|
開催期間 | 2019年11月12日〜11月14日 |
開催場所 | Marx Halle, Vienna |
セッション数 | 100 + |
参加者数 | 1,600 + |
アジェンダ | https://www.tricentis.com/accelerate/vienna/agenda/ |
ハイライト | こちらからご覧になれます |
今回で8回目になるTricentis AccelerateはTricentis社が主催する、エンドユーザー、パートナーが一堂に会するカンファレンスです。春にサンフランシスコ、冬にウィーンで開催しています。
Patner Dayを翌日に控え、前日のこの日はAPACリージョンのパートナーで集まり、ウィーン市内のウォーキングツアー(ガイド付き)とディナーがありました。ウィーン市内は比較的コンパクトで歩いて色々なところを周ることが可能です。この日はとてもガイドさんのとても豊富な情報にみなさん驚きながら数カ所を周り数時間のツアーを堪能しました。
APACチームディナーでは、ウィーン市内で最古のレストラン、あのベートベンやモーツァルトも訪れたというとても有名なレストランで行われました。レストラン名はGriechenbeisl(グリーヒェンバイスル)1447年創業、オーストリア伝統料理、シュニッツェルなどが楽しめます。
パートナー企業が集まるカンファレンスです。翌日のAccelerate第一日目を前に、Tricentis社として新しい製品、既存製品の新機能、会社として今後の展望などが発表されました。
現時点で750社以上のパートナー企業がTricentis製品を販売しています。今年初めの旧QASymphonyを傘下に入れた後も企業を買収し、会社の規模だけでなく、製品の数、パートナーパイプラインの数も増えていっています。
カンファレンス第1日目は「基調講演」から始まります。
多くの企業がデジタル・トランスフォーメーションを進める中、テスト管理・自動化は欠かせないものになっています。これからはさらに「スピードが大事」「スピードが新しい通貨」である、とCEOのサンディープ・ジョリ(Sandeep Johri)氏は言っています(動画はこちら: “Leadership in Enterprise Automation”)。徐々にシステムをクラウドへ移行していっています。そして「お客様が満足することが最優先」であり、勤務時間の半分はお客様と話し、困っているとこはないかなど聞いているとのことでした。
2日目の基調講演はTricentis創設者でありChief Strategy Officerのウルフガング・プラッツ(Wolfgang Platz)氏より、「品質を向上させる」と同時に「スピードも上げる」そうして行かないと機能が増える度にテストする事が増え、時間がかかってしまう。さらにテストを自動化していけば、スピードも上げる事が出来流、と言っていました。
Tricentisの製品はもともと、Tosca(テスト自動化)とFlood(負荷テスト)のふたつでした。2019年1月中旬、qTest(旧:QASyphony社との経営統合が正式に発表され、Tricentisの製品群に新たにqTestが加わります。さらに、
が加わり、6製品になりました。
カンファレンスでは、とても素晴らしい配慮がされておりました。
大きな会場を区切り数々の事が同時進行で発生しています。そのため、オープンマイクのように話し始めてしまうと他のセッションが聴こえない、あるいは聞き逃すということもあると思います。こういった問題を防ぐため、各参加者に受付時にヘッドセットが配られました。
セッション会場は6つ、A B C D E Fと分かれています。6色の色で区別ができるようになっていて、自分が行くセッション会場の色にチューニングするとその講演を聴くことができます。なんと、セッション会場から離れたところに居ても、講演の内容を聞く事ができます!基調講演などほぼ全員が集まる講演はヘッドセットを使わない設定となっていて会場全員で一緒に盛り上がることも出来ます。このアイデアはとても素晴らしいと思いました。
Tricentisは2019年11月版のガートナー社のマジック・クワドラントのソフトウェア・オートメーション・マネジメントでリーダーに位置付けられています。これからこのラインナップでテストから自動化、RPAまで包括的にテスト周りの製品やソリューションを提供して行くようです。
今回のTricentis Accelerate 2019 Viennaでは、私は主にqTestについて事例を聞いてきました。
欧米のある金融会社(大企業)では、
と言った状況でした。社内で変革を起こすべくさらにより良いツールの利用へ向けて、入れ替えるものは入れ替え、まとめるものはまとめ、というように進めて行ったそうです。テスト管理に関しては、qTestを導入すれば一緒に成長していける、と思ったそうです。
などなど挙げていました。新しいツールを導入するにあたり、社内のユーザーに複雑だな、面倒くさいなと感じさせないようなQAチームの取り組みが始まりました。アメリカの他にアジアにも拠点があり、社内ユーザーがグローバルレベルでいるため、文化や習慣の違いもありまとめていくのもまたチャレンジです。
qTestを入れてどう変わったか。
などなどとても良い結果になっているそうです。他に同じ金融系の会社2社が、こちらの会社とほぼ似た導入事例の講演をしていました。初回導入時は社内のユーザーを一生懸命サポートし、前の製品で行なっていたこと、あるいはスプレッドシートで管理してものをどのように現行のツールで操作するかしっかりと一緒に向き合い、解決していったそうです。
1日目の最後にパートナーアワードがありました。弊社もこの舞台に立てるよう頑張ります!
海外では、ソフトウェア品質について『品質』『スピード』『コスト』という3つの視点で捉えて、最適なテストを行うことを目的にツール導入を進めています。
私たちは、今回のカンファレンスで得た情報の他にTricentis社とのパートナー連携によって、日本のお客様に先進的なテストツール導入と、その使い方を提案してまいります。
アトラシアン社ではサポート範囲外となっているサードパーティ製のアドオンをリックソフトのRS標準サポートではサポートします。
リックソフトのRS標準サポートは開発元が提供するサポート以上の価値があります。
ツールを導入しただけでは成功とはいえません。利用者が効果を感じていただくことが大切です。独自で制作した各種ガイドブックはツール活用を促進します。
リックソフトからライセンス購入を頂いたお客様にはガイドブックを無料進呈いたします。
ツール操作の研修だけでなく「ウォータフォール型開発」「アジャイル型開発」のシミュレーション研修も提供。
日本随一の生産性向上にも効果のある研修サービスです。
リックソフトからライセンス購入を頂いたお客様には無料招待や割引特典がございます。