2019/06/04
Oracle Java SE 8の商用利用における無償サポートが終了:Atlassian製品(Jira、Confluence)のJavaに関する対応状況について大崎 健吾Kengo Ohsaki
こんにちは。リックソフトの大崎です。
新しい元号「令和」の時代が始まりました。Atlassian製品で和暦を使用している方は少ないとは思いますが
Oracle 社からは Java SE 8u211 / Java SE 8u212 / Java SE 11.0.3(LTS) / Java SE 12.0.1 がリリースされ、これらのバージョンから新元号「令和」に対応しているということです。
そんなJavaですが、既にご存知の方も多いかと思いますが Oracle社から提供するJDK(以下、Oracle JDK)は、Java8の公式アップデートの終了に伴い、商用利用における無償サポートは2019年1月に終了しました。
またOracle JDK11以降についてもライセンス変更により商用利用にはOracleの有償サポート契約が必要になります。
Oracle Java SE 8 の商用利用向けの最後の無償バージョンはJava SE 8u201 /Java SE 8u202で、Java SE 8u202 以下であれば商用利用であっても無償で使用し続けることができます。
但しJavaの脆弱性を修正したバージョンの無償提供は行われないため、Java SE 8u211 以降を利用したい場合にはOracle社の有償サポートを契約する必要があります。
Oracle社のJavaに関する詳細な案内についてはOracle社の公式情報をご確認ください。
私たちが最も気になることは、JiraやConfluence、Bitbucket、Bamboo、Crowd、Fisheye/CrucibleのAtlassian製品で使用しているJavaは大丈夫なのか?今後私たちはどういった対応が必要となるか?だと思います。
今回は、そんなJavaに関するよくある質問などをまとめてみましたのでご確認いただければ幸いです。
まずAtlassian社では、下記記事の通りAtlassian社オンプレミス(Server/DataCenter)製品でのJavaに関してOracle JDKとOpenJDKの長期サポート(Long-Term-Support:以下LTS)バージョンのみをサポートする計画となっています。
OpenJDK については色々なディストリビューションが出ていますが、主にAdoptOpenJDK 動作テストをして今後製品にバンドルしていく計画となっています。
他のOpenJDKディストリビューションでもサポートはするとのことですが、OpenJDKを使用しているお客様が提起した問題を再現するためにまずAdoptOpenJDKを使用することが基本となっています。
すでに各アプリケーションの最新バージョンではOpenJDK 8でのサポート開始しております。
現時点(2019/05時点)ではOracle Java SE 8 / Oracle Java SE 11 / OpenJDK 8 / OpenJDK 11が製品サポート対象となりますが、製品や製品のバージョンによってJavaのサポート状況は異なります。
Javaサポート状況については、ご利用バージョンの製品サポートプラットフォームをご確認ください。
現時点(2019/05時点)でJava 11(Oracle / OpenJDKともに)をサポートしているのはBitbucket 6.0以降のみです。
Jira Software / Core は 8.2 以降でサポートする計画となっています。詳細はPreparing for Jira 8.2 – Atlassian Documentationをご確認ください。
Confluence は 7.0 以降でサポートする計画となっています。詳細はPreparing for Confluence 7.0 – Atlassian Documentationをご確認ください。
それ以外の製品については、それぞれ計画中ですが公式ドキュメントによる明確なアナウンスはありません。
Java 8(Oracle / OpenJDKともに)はLTSのため、少なくとも2022年まではサポートしていますので Java 8 でも今のところ大きな問題になることはないと思います。
Oracle Java SE 8u202 以下であれば商用利用であっても無償で使用し続けることができます。
古いJavaのバージョンで利用し続けることは可能ですが、脆弱性があった場合サポートが受けられません。
弊社としては、OpenJDKをサポートする製品バージョンまでアップグレードしてOpenJDKに切り替えるか、それが難しい場合Oracle社との有償サポートの契約検討を推奨致します。
Jira Software 7.13.0、Confluence 6.13.0 では OpenJDK 8 をサポートしています。
しかしながら、インストーラーにバンドルされているJavaは Oracle Java 8 となっています(Confluenceは 6.13.2以降でAdoptOpenJDKがバンドルされています)。
そのため、もしAdoptOpenJDKに切り替えたい場合は別途以下手順でインストール、切り替えをする必要があります。
OpenJDKに切り替えることで製品が問題なく動作するかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。
例えばですがフォントが見つからないといった問題が起き、文字化けすることがありAdoptOpenJDK fails with FontConfiguration error when installing on Linux operating systemsのナレッジベースが用意されています。
そのため、Oracle JavaからOpenJDKに切り変えた場合には必ず検証環境で動作確認をしてから、本番環境を切り替えてください。
JiraやConfluenceなど製品のインストーラーにはJavaがバンドルされています。
基本的にはバンドルされたJavaを使用することをお勧めします。Atlassian社が動作を確認しているJavaバージョンですので、何か問題があった場合サポートがスムーズに受けることが可能です。
しかしながら、Atlassian社がその製品リリース時点で動作確認をしたJavaバージョンであるため最新のJavaバージョンより少し古い場合があります。
Atlassian社では、新しくリリースされるバージョンでバンドルされているJavaバージョンもその時の最新に追従しているため、定期的に製品バージョンアップをお勧めします。
定期的に製品バージョンアップが難しい、Atlassian社でのJava対応が遅れておりJavaの脆弱性が心配、自社でのセキュリティーポリシーでJavaは定期的にアップグレードが必要などの場合は
別途最新のJavaをインストールしてバンドルのものから切り替えることをご検討ください。
各製品のJava切り替え方法については以下をご確認ください。
Javaをバンドルのものから切り替えた場合であっても、各製品のサポートプラットフォーム範囲のバージョンであれば製品サポートを受けることが可能です。
Javaを切り替えることで製品が問題なく動作するかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。
不具合が発生することはありますので、必ず検証環境で動作確認をしてから、本番環境を切り替えてください。
前述のバンドルの話と似た話になりますが、基本的には各製品のインストーラーにバンドルされたJavaを使用することをお勧めします。
理由としては、Atlassian社が動作を確認しているJavaであり、バンドルされたJavaを使用するユーザーが多いためです。
利用ユーザーが多いと、その分実績も豊富で何か問題が起きた場合のナレッジベースも期待できます。
今後、Atlassian社では各製品にAdoptOpenJDKをバンドルしていく計画となっていますので、OpenJDK(特にAdoptOpenJDK)をお勧めします。
OpenJDKに関して、活動には各サポートベンダーがついているものの基本的にはコミュニティベースのためJavaに何らかの問題があった場合、サポートという面で若干の懸念は残るかと思いますが
Atlassian社ではサポートプラットフォームのJavaであれば適切にサポートしていただけるので全くサポートが無いということではありませんのでご安心ください。
またOpenJDKの各種ディストリビューションがある中でのAdoptOpenJDKの選択について、みずほ情報総研 : 第三の選択肢、オープンソースのシステムの対応状況を確認しますと
Atlassian製品以外でもAdoptOpenJDKへ切り替えていくシステムは存在するため、現時点ではOracle Javaからの選択肢として評価できると考えています。
しかしながら、バージョンアップ対応のために確保できる時間や予算、セキュリティ要件、バージョンアップに伴うユーザや業務への影響等の条件によって変わるため
そうした場合については、Oracle社との有償サポートの契約検討をお願いします。
Javaの違いに起因する問題か、Atlassian製品側の実装による問題かの切り分けは難しい場合が多いため、ご利用のAtlassian製品で問題や疑問点などがございましたら、まずは弊社ヘルプデスクまたはAtlassian社のサポートへ使用している製品バージョンに合わせて、Javaバージョン(サポートZIPがよりスムーズです)を提供の上、お問い合わせください。
繰り返しになりますが、製品や製品のバージョンによってJavaのサポート状況は異なりますので、ご利用のバージョンのサポートプラットフォームをご確認の上バージョンアップが必要かご確認をお願いいたします。
各アプリ(アドオン)の開発ベンダーで対応方針は異なるため、一概に回答はできません。
そのためOpenJDKに切り替えることでアプリ(アドオン)も問題なく動作するかというと、基本的に問題はないと思いますが、絶対問題ないとは言い切れません。
不具合が発生することはありますので、切り替える場合には必ず検証環境で動作確認をしてから、本番環境への適用をお願い致します。
基本的にアプリ(アドオン)では動作保証している製品バージョンのサポートプラットフォームで動作をサポートしているため
サポートプラットフォーム範囲内のJavaで何らかの問題が起きた場合、適切にサポートしていただけますので何かございましたら
弊社リックソフトヘルプデスクまたはアドオンベンダーへ使用している製品バージョンに合わせて、Javaバージョン(サポートZIPがよりスムーズです)を提供の上、お問い合わせください。
最後にアプリ(アドオン)を開発している方は少ないかと思いますが、現状ほとんどの製品が Java 8 または Java 11 の双方サポートする計画となっているため、
Java 11の機能を使用してアプリ(アドオン)を開発してしまうと、Java 8 の環境で動作しなくなるため、Java 8 での開発を中心にしていると考えられます。
そのため現時点では多くのアドオンベンダーは、Oracle Java 8 を使用して開発・テストしているかと思います。
弊社お客様は、リックソフトヘルプデスクにお気軽にご相談いただければと思います。
製品について詳しくはこちらをご覧ください。
アトラシアン社ではサポート範囲外となっているサードパーティ製のアドオンをリックソフトのRS標準サポートではサポートします。
リックソフトのRS標準サポートは開発元が提供するサポート以上の価値があります。
ツールを導入しただけでは成功とはいえません。利用者が効果を感じていただくことが大切です。独自で制作した各種ガイドブックはツール活用を促進します。
リックソフトからライセンス購入を頂いたお客様にはガイドブックを無料進呈いたします。
ツール操作の研修だけでなく「ウォータフォール型開発」「アジャイル型開発」のシミュレーション研修も提供。
日本随一の生産性向上にも効果のある研修サービスです。
リックソフトからライセンス購入を頂いたお客様には無料招待や割引特典がございます。