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2018/05/29

DevOps導入に向けたValue Stream Mappingの価値

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山本 敏裕Toshihiro Yamamoto

山本 敏裕

日本クイント株式会社の石ケ森 様を講師にお迎えしてDevOps勉強会を開催しました。
DevOpsとは仕様やフレームワークといった括りがあるものではなくバリューチェーンのような価値の流れ(Value Stream)を最適化し、より価値を向上させていくような活動のことを言います。
一般的には開発という視点で広まっていますが、どんな業種・職種でもDevOpsの考え方は利用可能です。
それでは、石ケ森さんの講義をレポートさせていただきます。

石ケ森さんの講義

1.DevOpsとは

DevOpsの考え方は開発側と運用側が密なコミュニケーションとコラボレーションを図り、開発から運用という一連の流れをスムーズにし、最適化していくことを継続して行っていく活動と位置付けています。

ここで一番伝えたいことは、「開発側と運用側の壁」。DevOpsのキーワードは「文化」だそうです。
それぞれの部門には、それぞれに醸成されたの文化があります。そのため分かっていてもなかなかできないものです。

たとえば、下記のようなことがあるかと思います。

  • 開発側は、いろいろと作りこんだり、いろいろと変更をしたい。
  • 運用側は、とにかく安定すること。1回でも止まってしまえば死活問題となる。

それぞれの部門には、それぞれの想いがあります。
分かってはいてもなかなかできないことですが、現在はスピードが求められる時代です。

相手のことを思いやり、自分が譲歩する。それぞれの部門もサービスの提供者として顧客へ価値を提供することは共通です。
DevOpsではこの「開発側と運用側の壁」をなくすことで、なるべく早く、より品質の高いサービスを提供することを目的としています。

ここがこれまでと違うところの1つです。
これまではスピードが速くなると品質が悪くなるというのがよくあることでしたが、DevOpsでは、スピードが速く、品質も良い。この2つを実現することが求められます。

DevOpsではスピードと品質の2つを実現することが求められます。
これを実現するために定義されているものにCALMSがあります。次にCALMSについて説明させていただきます。

2.CALMS(コルムス)

CALMSは下記の頭文字をとっています。

  • C:Culture
  • A:Automation
  • L:Lean
  • M:Metrics
  • S:Sharing

表にまとめます。

No 項目 備考
1 Culture DevOpsのキーワードの1つである文化のことで、組織のコラボレーションとコミュニケーションを醸成させることを意味します。「開発側と運用側の壁」をなくすことはここに該当しますね。
2 Automation 自動化を意味し、DevOpsでは必須だそうです。実際の現場ではテストやリリースが該当するとのことでした。
3 Lean リーン生産方式(トヨタ生産方式)を意味します。リーンとは脂身のない肉のことで、ムダを極力排除することに力点が置かれています。実際の現場では、ムダな待ち時間や打ち合わせ、手戻りなどが該当するでしょうか。
4 Metrics すべてのことを測定し、データをサイクルとして活用します。1回作れば良いということではなく、継続的に製品ライフサイクルでサポートするということを意味しています。
5 Sharing 他の人が学習できるようにナレッジを共有することを意味します。

上記の「4」、「5」の2つはITILの考え方に近いですね。この辺はAtlassian社の製品などを使ってカバーすることができそうです。
なお、DevOpsの考え方は自社製品を扱っているような企業では一過性の要素が強いSIerのような企業には向かないそうです。
これは継続的価値を追求していく思想が根本にあるためです。

例として、MVP(Minimum Viable Product)という方法があります。
これは最低限使える製品を市場投入し、使ってもらえるものをコンスタントに投入していき、顧客からのフィードバックを得て継続的に改善していく活動していく考え方です。
これはアジャイルの考え方ですね。DevOpsはAtlassian製品のJIRAConfluenceを使って実現できそうです。

3.バリューストリームマップ

バリューストリームマップは情報の流れを視覚化し、プロセスサイクルの効率化を明確にし、ムダの発見を行うためのツールです。
上記のCALMSのLeanがここに該当します。

Leanは顧客に価値を提供し、そして価値を作り出すシステム全体からむだを取り除くことにより、継続的に価値を提供する能力を改善します。
そのため、ムダの発見や削減のためにバリューストリームマップを活用します。
「作業が手待ち」になったり、「余計な機能」だったり、ムダにもいろいろ種類がありますが、これを排除すればDevOpsのテーマの1つであるスピードの改善は図れそうです。
そのためには開発側と運用側が同席してワークショップなどを開催し共通認識を持つことが必要になります。

  • どこがムダか
  • 改善策は何か

そして、ふりかえりを実施、つまり改善の実施を促す必要が出てきます。
継続して上記のプロセスを行っていけば、自然にスピードと品質の改善が出てきそうな気がします。

これも全て視覚化して見えるようにすれば、その1歩を踏み出せそうですね。

全て視覚化

4.DevOpsとツール

DevOpsには自動化が必要不可欠です。自動化にはツールの導入が必要ですが懸念点が考えられます。開発チームと運用チームの隔たりが生じる1つに、開発チームと運用チームの両方が異なるツールを使用していることが考えられます。DevOpsではコミュニケーションとコラボレーションが必要となります。そのためツールの共通化は必要と考えます。Atlassian製品は、そのような要求にピッタリと嵌るのではないかと考えます。次回はAtlassian製品を使ったDevOpsについて紹介したいと思います。

ご不明な点がございましたら、お気軽に弊社にお問合せください。

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