2017/07/18
Atlassian Cloudを安心して利用するために必要なこと、もしオンプレミスへ移行したくなったら大崎 健吾Kengo Ohsaki
こんにちは、リックソフト技術担当の大崎です。
6月も早いもので終わり、1年の半分も過ぎ夏に向かって暑い日が続いていますが皆様いかがお過ごしですか?
今日はそんな暑い日々でも背筋が凍る、身の毛もよだつお話を…
というのは冗談で、今回は最近起きた「Atlassian Cloud」での困りごとをご紹介致します。
ご存知の方も多いかと思いますが、Atlassian Cloudはアトラシアン社が運用するクラウドサービスで、アトラシアン製品とアドオン(JIRA,Confluenceなど)をAtlassian社が運営するクラウド環境でご利用いただけるサービスです。
クラウドサービスということで自社でサーバーを用意する必要がありませんし、もちろんインストールなどの作業も必要ありません。
以下サイトからMyAtlassianにサインアップの上、必要項目を入力したら数分すればインスタンスが立ち上がり利用開始することができます。
※ トライアル期間は1週間無料で、期間の延長はこちらまでご相談ください。
Atlassian製品の機能や特徴、メリットを実感するには最も適した製品です。
【注意】 Atlassian Cloudですが 2017年8月1日 に価格改定があります。Atlassianから直接購入頂いている場合は、Atlassian社からの案内をご確認ください。
最近Atlassian Cloudで大規模に利用されているお客様から以下のような相談ごとが増えています。
その相談ごとを大別すると3つのパターンがあります。
環境の利用率やネットワーク環境にもよりますので一概には言えませんが、500ユーザー以上など比較的大人数で激しく製品を使用している環境の場合
どうしてもオンプレミス環境と比較するとパフォーマンス(レスポンス)が遅いと感じることがあるようです。
こうした事象について、アトラシアン社はhttp://status.atlassian.com/ (StatusPage)で公開し、改善のために努力しています。
業務に支障がでてしまうと感じた時は、公開情報をまず確認して特にレポートが上がっていなければ こちらから|技術サポート(日本語)の内容について – Atlassian Documentation問い合わせてみましょう。
まずは、アトラシアン社に情報を伝えるというのが改善の一歩です。
それでも早期に改善したいというお客様はオンプレミス環境への移行への決断をされるようです。
お客様が利用している環境やネットワークなど環境依存の場合もありますので、まずはヘルプデスクに問い合わせしてみましょう。
Atlassian Cloudは利用できるストレージに上限が設定されております。
ストレージポリシーについては こちら | Atlassian Cloud ストレージ ポリシー – アトラシアン製品ドキュメント をご確認ください。
このドキュメントによるとストレージ上限を超えても、書き込み停止になったり、読み込みだけになったりという事はありませんので、サービス継続性という点では非常にありがたいです。
超過した場合は警告メールが送信されるようですのでお見逃しなく。
ただし超過した場合ですが、現時点ではストレージの上限を増やすことはできないため、何らかの方法でデータを削減する必要があります。
不要なデータは削除し、古いデータはエキスポートして自社のファイルサーバなどに保存するなどを行う必要があります。
気が付いたら、「ビックリするほど超過していた」という場合はタイヘンです。
データを削減するとしても業務に必要なデータもありますし、何が必要で何が不要なのかを見極めなければなりません。
それに見極めができてデータを削除できたとしても、それがストレージ上限よりも少なくなる保証もありません。
そうした場合に時間がかかってしまうデータ整理作業を行うよりも、オンプレミスへ移行を検討されることが多いようです。
Atlassian Cloudでは毎日午前1時から午前3時にメンテナンス時間があり(正確にはタイムゾーンによって異なります。詳細は こちら|メンテナンス時間 – アトラシアン製品ドキュメントをご確認ください。)
基本的にはこの時間内で自動的にアップグレードがされています。但し毎日アップグレード、メンテナンスがあるとは限りません。
自動でのアップグレードは新機能の追加が早く、バグ対応やセキュリティ対応もアトラシアン社が早く対応してくれます。
常に最新状態で使いたいというニーズからAtlassian Cloudを利用されているお客様もいらっしゃいます。
ですが利用人数が多くなってくるとデザインをはじめとするツールの変化についていけないなど、戸惑ってしまうユーザーも少なからずおり、
ある日「ユーザーからの操作に関する問い合わせ対応」が突然多くなった事で苦しんだ結果、バージョンのコントロールが可能なオンプレミスへの移行を検討するようです。
この対応には、アトラシアン社では新しいデザインガイドラインを公開しており(https://atlassian.design)、今後はこうしたデザインに順次変わっていくという事ですので、事前にユーザーに公開して「順次デザインは変わる」という事を周知しておくことも必要かもしれません。
それでも、、
それでも、「ユーザーからの操作に関する問い合わせ対応」が苦しいという事であれば、オンプレミスへの移行を検討されても良いかと思います。
どうしても、オンプレミス環境に移行したくなったら・・・
そうした相談ごとを受けてオンプレミス環境、または RickCloudサービスへの移行作業を依頼頂くのですが、移行するときに一番重要なCloud環境のバックアップが取得ができない!
ということが多くなっております。
その一番の理由としては 、前述に記載しました「ストレージ上限を超過している環境」ということが共通しています。
残念ながら Atlassian Cloud のバックアップ機能はデータ量が多くなると不安定になってしまうことがあるようです。とはいえストレージ上限を超過して利用していることにも問題はありますけど…
そうした場合は、まずはアトラシアン社のサポートに連絡し、原因を確認し、バックアップを取得できるまで粘り強く何度も実施するということにつきます。これ以外解決方法がありません…
もちろんご安心頂きたいのは、Atlassian Cloudではお客様で取得できるバックアップとは別の方法でバックアップを日々取得しておりデータはしっかりと保持されております。
しかし、バックアップが取得できずデータを社内に持ってくることができないという事象はクラウドリスク になり得るので
オンプレミス環境に移行にするしないに関わらず Atlassian社サポート にストレージ使用量を確認してみましょう!
現時点(2017.07.07)では、自分のAtlassian Cloud環境が、どの程度ストレージを使用しているか確認するには Atlassian社サポート に聞くという方法しかありません。
確認した結果、ストレージ上限を超過しているようなら早めに対応方針をアトラシアン社のサポートに相談してみてください。
適切なアドバイスがいただけると思います。
やっとこさでバックアップが取得できて、今度はオンプレミス環境への移行検証作業に移ります。
Cloudからオンプレ環境への移行方法は公式ドキュメントは用意されており、技術的には弊社にご依頼いただかなくてもお客様で実施することが可能です。
手順としてはお客様でサーバーをご用意いただき、Cloudからバックアップを取得してJIRA・Confluenceをインストールした環境にバックアップデータをインポートすれば移行は完了します。
但し、Atlassian Cloudは、常に最新版となっているので、オンプレミス用のServer版とはバージョンが少しだけズレています。
この事からCloudとServer版では機能が異なる部分もあり、そうした部分で不具合が起きインポート中にエラーが起きてインポートができないということがしばしば起きます。
例えば、Cloudからの移行時に起きる代表的な問題としては CONFCLOUD-52260 Cloud to Server export users can’t log in – Atlassian JIRA という問題があります。現時点(2017/07/07)ではまだこの不具合は直っていません。
この問題ですが、CloudからServerに移行した際には通常 sysadmin / sysadmin というユーザーが作成されて、そのユーザーのみがシステム管理者としてログインできるようになります。
しかしながら、その唯一のユーザーが作成されない不具合になります。
そしてCloudからServerに移行した際には 全ユーザーのパスワードはリセットされ(正確には未設定状態で)インポートされます。
そのため、パスワードリマインダーで初回ログイン時に各自でパスワードリセットしていただく必要があります。
但しインポートが完了した時点ではメールサーバーの設定がされてないため(もしくはされていても利用できないようなAtlassian Cloudのメールサーバーが設定されている)ためパスワードリマインダーすら使用できません。
最終的な対応方法としては以下ドキュメントの通りDBのデータを修正の上、管理者ユーザーのパスワードを仮設定する または ローカル管理者をDB操作で直接追加する必要があります。
Confluence Cloudからの移行の場合、Cloudで管理者のユーザーであっても、Cloudではシステム管理者権限を利用者に引き渡してないためシステム管理者権限は持っていません。
Cloudでの管理者のパスワードをリセットしたとしても管理者権限が足りず一部管理機能が使えませんので、一時的にローカル管理者を追加して
Cloudでの管理者ユーザーのパスワードを管理画面から再設定して、Cloudでの管理者ユーザーにシステム管理者権限を付与して上げる必要があります。
これは問題の1つですが移行時にはこうした細々とした問題が起きることが多く、残念ながらCloudを利用されていたお客様はあまりAtlassianのシステム運用について熟知されている方は少ないため苦労されることが多くなっております。
前述のいくつかの壁を乗り越えてオンプレミス環境への移行を行うことで「Atlassian Cloudをご利用のお客様からの相談ごと」で説明した3つのパターンを改善することができます。
ここでまとめるとポイントは4つ
です。
弊社では数多くのCloudなどからの移行作業を手掛けてきておりますので、移行時に起きる不具合やその対応方法のノウハウを持っております。
このノウハウの中で、特に重要なポイントをブログで公開させて頂きました。
皆様に安心してアトラシアン製品を活用いただくのが、私たち使命です。
リックソフトに在籍する経験豊富なAtlassian製品の専任技術者がお客様に代わって丁寧に移行作業をすることもできますので、お気軽にご相談いただければと思います。
お困りの方は以下よりお問い合わせください!
アトラシアン社ではサポート範囲外となっているサードパーティ製のアドオンをリックソフトのRS標準サポートではサポートします。
リックソフトのRS標準サポートは開発元が提供するサポート以上の価値があります。
ツールを導入しただけでは成功とはいえません。利用者が効果を感じていただくことが大切です。独自で制作した各種ガイドブックはツール活用を促進します。
リックソフトからライセンス購入を頂いたお客様にはガイドブックを無料進呈いたします。
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