2017/03/07
ちょっと気になるアドオンシリーズ:Insight – Asset Management for JIRA樋口 晃Akira Higuchi
こんにちは、リックソフトのプリセールス担当の樋口です。私は、日々JIRAシリーズをご利用中のお客様やこれから利用を検討している方とお話をしています。
皆さま、ソフトウェア開発以外の色々な業務で JIRA シリーズを使っていたり、これから使おうとされています。中には私達が考えていなかった様な使い方を考えている方もいて、JIRAシリーズには色々な可能性があるのだなと日々気づかせていただいています。
最近、PinkVERIFY認証を取得している JIRA ServiceDeskのお話が多くなっています。その中でシステムのインフラ基盤の資産管理、構成管理、構成管理データべース(CMDB)なども実現したいという要望などもいただくようになりました。
例としては
などなどです。今後ご要望のお応えできるようなアドオンをどんどん紹介していきたいと思います。
さて今回はとても良いアドオン Insight – Asset Management for JIRA を見つけましたので紹介したいと思います。
アドオン:Insight – Asset Management for JIRA
はじめに、Insightの機能を簡単に紹介します。
Insight をJIRA シリーズにインストールすると、JIRA でマスター管理ができます。ユーザーがオブジェクトを定義して、データを登録できます。このマスター情報をJIRAと連携できます。考えられる利用方法としては、
などなどです。まだまだ、可能性は色々と広がりそうです。
Insightの利用方法を簡単に説明します。
Insightを利用するためには、まず「スキーマ」を作成し権限設定をします。業務別にスキーマを作成して、スキーマ別に権限割り当てをすると良いと思います。
ロール | オブジェクトの参照 | オブジェクトの変更/追加/削除 | オブジェクトの定義 |
---|---|---|---|
Object Scheme Managers | |||
Object Scheme Developers | |||
Object Scheme Users |
スキーマができたら、次にオブジェクトを定義します。Object Scheme Managers ロールのアカウントで JIRA にログインしてオブジェクトを定義します。Insight のオブジェクトは、RDBではテーブルに相当します。
オブジェクトができたら、オブジェクトの属性を定義します。属性は、RDBのカラムに相当します。オブジェクトの型は、文字型。数値型、日付型の他、オブジェクトへのリンクも作成できます。
属性を定義したら、オブジェクトにデータを登録できるようになります。下記が登録したオブジェクトのサンプルです。JIRAの課題の様ですね。課題と同様に、コメントも登録でき、History タブを開くと変更履歴を閲覧できます。
ここまでで、Insight の簡単なスキーマの定義、データの登録ができました。これをJIRAの課題とどうやって関連付られるかを見てみましょう。JIRA で変更管理のワークフローを実行する時には便利だと思います。Insight をインストールすると、カスタムフィールドのタイプがいくつか追加されます。ここでは、「Insight Object (single select)」を追加してみました。カスタム・フィールドを「サービス」という名前絵で作成してカスタムフィールドの構成画面を開くと、下記の様に表示され、定義が不足している事が解ります。
上記の、「Insight Configuration の編集」リンクをクリックすると、下記の画面が表示されます。ここで、カスタムフィールで利用する Insight のオブジェクトを指定すると準備が整います。
上記で作成したカスタムフィールドを課題から利用すると下記の様な表示になります。入力画面ではドロップダウンの他、Insight の検索ウインドウを利用できます。課題の閲覧画面でカスタムフィールドにマウスオーバーすると、オブジェクトの情報が表示されます。これで、変更管理のプロセス(JIRA課題)と管理対象のデータ(Insightオブジェクト)の関連付けができます。
課題のカスタムフィールドにInsight オブジェクトを指定すると、課題の閲覧画面で関連する課題を確認する事ができます。この機能で、管理対象のオブジェクトに関連する作業中タスクを確認する事ができます。
課題の検索は、オブジェクトの画面の他、通常の課題検索画面(Issue Navigator) でも実施できます。Insight 独自の関数も用意されていますので、条件に一致するオブジェクトに関連する課題の検索もできます。
Insight はワークフローからも利用できます。この機能を利用すると、これまでできなかった事が色々とできそうです。JIRAのワークフローのトランジション(開始、解決などのJIRAのワークフローアクション)を実行する時に利用される、「事後操作」「条件」、「検証」についてそれぞれ説明します。
機能 | 説明 | Insight の機能 | 考えられる利用方法 |
---|---|---|---|
事後操作 | トランジション実行後の処理 |
Insight オブジェクトの値を特定の値に変更。インサイトオブジェクトのフィールド値をJIRA 課題のフィールドの値をで更新する。 JIRA 課題の担当者を Insight の情報で更新。 |
サービスの管理を Insight に登録しておいて、変更管理をJIRAで実施する。変更管理のJIRA課題に登録された値で、Insight のオブジェクトの値を更新する。 Insight にワークフローステップ別の担当者を登録しておいて、担当者を自動的に変更してワークフローを回していく。 |
条件 | トランジションのボタンを表示する条件を指定する。 | カスタム・フィールドで指定された Insight オブジェクトの値と、JIRAの課題の値をチェックし、条件に合致した場合のみワークフローの実行ボタンを表示する。 | サービスの管理をInsight で実施して、サービスの担当者を登録しておく。サービスの担当者の場合にだけボタンを表示する事で、アクションの実行可能者を限定する。 |
検証 | トランジション実行時の検証。データの入力チェックなどに利用される。 | トランジション実行時にカスタム・フィールドで指定された Insight オブジェクトの値と、JIRAの課題の値をチェックし、条件に合致しない場合はエラーメッセージを表示して実行を中断する。 | 社内のパソコンの管理をインサイトで実施して、パソコンの利用申請をJIRAで受け付たる。利用申請で指定された機種に空きが有るかないかをチェックし、無い場合はエラーで中断し、別の機種の選択を促す。 |
「条件」と「検証」は似ていますが違います。実行ボタンの表示/非表示を切り替えるのが「条件」で、ワークフローのボタンを押した時、またはトランジション・ウインドウのボタンを押した時に実施されるのが「検証」です。「条件」は主に処理の分岐に利用でき、「検証」は主にデータの入力チェックに利用できます。
これまで、Insight のオブジェクトを画面から登録する例を紹介してきましたが、サーバー、パソコン、ネットワークデバイスなどの資産管理を実施する場合、ネットワークをスキャンして、 Insight の情報を追加/更新する事ができます。これを実行するためには、追加のソフトウェア Insight Discovery が必要です。私はまだ試していませんが、是非試してみたいです。
簡単に、Insight – Asset Management for JIRA の機能を紹介しましたが、Insight にはこれ以外にも、レポート機能は外部データとの同期処理など、様々な機能があります。JIRAをプロジェクト管理以外の、ワークフローで利用する場合には可能性が広がりそうです。今後もブログなどで情報を追加して行きたいと思いますが、ご興味のある方はリックソフトの「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。
よろしくお願いします。
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