2020/01/24
Alfresco 便利な機能のご紹介:スマートフォルダを使ってみよう!?山本 敏裕Toshihiro Yamamoto
こんにちは。リックソフトの山本です。
一般的にファイルなどのコンテンツは「種別ごと」や「顧客ごと」にフォルダを作成してその中にファイルを格納して管理していくことが多いかと思います。例えば「見積書」や「請求書」といったフォルダでそれぞれのファイルを種別ごとに管理していて、顧客ごとのファイル一覧で見たいといったことがあるかと思います。
ファイルサーバで管理している場合に上記のようなことをやるとすると、物理的にフォルダやファイルを作成する必要があります。その結果複数のファイルが存在し、マスターがどれか分からなくなったり、マージされていなかったりなど阻害要因が生まれてしまい管理が破綻してしまいます。
こんなことはもううんざりといった方に、今回はAlfresco Content Serviceのスマートフォルダ機能を紹介します。
スマートフォルダ(Smart Folder)とはAlfresco Content Service内にあるコンテンツ(ファイル)を1つのフォルダにまとめる機能のことをいいます。この機能を使用すれば必要なファイルを探す手間やフォルダ移動がなくなるのでスマートなワークライフを実現することができます。
スマートフォルダは画面上の見た目はフォルダのように見えますが、物理的に作成されたフォルダではありません。アイコンを開くと検索が走り該当ファイルのリンクが表示されるような仕組みとイメージしていただけたらと思います。実態は本来のフォルダに存在していて、そのリンクがスマートフォルダ内に表示されているということになります。
そのため物理的なフォルダやファイルも作成されず、文字通りスマートな管理を実現することができます。
また編集をした場合は実態のファイルにも編集が反映されます。
下記の図は3つのフォルダ「見積書」、「請求書」、「注文書」にそれぞれのファイルをスマートフォルダ「りっくま商事」に抽出するイメージ図になります。
この機能を使えば顧客別など横串で見たいときに見られますので効率的なワークライフを可能にします。
スマートフォルダは仮想的なフォルダなので格納されているファイルもフォルダも削除することはできません。こちらの対応については以下で記載したいと思います。
スマートフォルダを利用するにはサーバー設定とフォルダ設定の2つを設定します。
スマートフォルダを使用するにはスマートフォルダ設定を有効にする必要があります。
設定は以下の手順で行います。
smart.folders.enabled=true
これでスマートフォルダ機能が有効になります。
次にスマートフォルダを作成します。設定は下記手順で行います。
ここでは下記のような設定にします。ファイル名に「りっくま商事」が入っているものを抽出することにします。
{ "name" : "りっくまのスマートフォルダ", "nodes" : [{ "id" : "1", "name" : "りっくま商事", "search" : { "language" : "fts-alfresco", "query" : "=cm:name:りっくま商事*" } } ]}
プロパティ | 備考 |
---|---|
name | スマートフォルダ名 |
id | テンプレート内で指定する「nodes」の番号。Alfresco内でスマートフォルダテンプレートが複数存在する場合は、他のテンプレートと重複しないユニークな数値 |
query | パスを指定した場所で、スマートフォルダに表示するファイルを取り出すための条件式。 |
詳細は下記公式ドキュメントをご参照ください。
スマートフォルダテンプレートを「リポジトリ」→「データディクショナリ」→「スマートフォルダテンプレート」へアップロードします。
アップロードしたjsonファイルを選択し、「タイプの変更」を選択します(画面右側)。タイプの変更の画面が表示されますので「スマートフォルダテンプレート」を選択します。
スマートフォルダを作成するサイトへ移動し、フォルダを作成します。画面右にあるアイコン「・・・その他…」をクリックし「アスペクトの管理」を選択します。
フォルダにアスペクトを適用します。「システムスマートフォルダ」を追加します。
フォルダにスマートフォルダテンプレートを適用します。作成したフォルダの「詳細の表示」を選択します。
画面右の「フォルダの処理」から「プロパティの編集」を選択します。
データディクショナリにアップロードしたスマートフォルダテンプレートを選択し「保存」ボタンを押下します。
フォルダに戻ると虫眼鏡のマークが付いたフォルダが存在していることが確認できます。この虫眼鏡マーク付きのフォルダがスマートフォルダになります。
このフォルダにはまだファイルをアップロードしていませんがフォルダの中を見てみるとファイルが存在していることが確認できます。
このように「見積書」、「請求書」、「注文書」のそれぞれフォルダから「りっくま商事」のものだけを抽出することができます。顧客別のファイルを見たい場合にはこのようなスマートフォルダを作成し一覧で確認することができます。このように一覧で見ると不足しているファイルの確認などもでき、高い業務パフォーマンスを実現することができます。見たい軸は検索クエリを工夫してぜひ実践していただけたらと思います。Alfrescoでデジタルトランスフォーメーションを始めてみませんか。
スマートフォルダでは使用できる機能に制限があります。
操作 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
ファイルの追加・作成 | 指定したルールに従って物理フォルダに格納されます。 | |
ファイルの更新 | ファイルの編集が可能です。プロパティの更新をすると検索条件と一致しなくなりスマートフォルダから削除される場合があります。 | |
ファイルの削除 | ||
ファイルのコピー | ||
ファイルの移動 | ||
プロパティ編集 | ||
解凍先 | ||
同期 | ||
Locate To |
スマートフォルダの動作については下記動画もご参考ください。
ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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お困りの方はぜひこちらをご参照ください。
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