課題からみる
  • DX
  • 情報共有
  • 属人化防止
  • システム管理・DX担当

SECIモデルの全体理解へのガイド:ナレッジシェアツール

2024.05.31

知識管理が組織の成長とイノベーションに不可欠である現代において、SECI(セキ)モデルの理解はビジネスを次のレベルへと導く鍵となります。SECIモデルは、非形式的な知識(暗黙知)と形式的な知識(形式知)を変換し、知識の創造と共有を促進する枠組みです。応用情報技術者の過去問にも登場しており、組織の情報を最適化する手法の一つと言えます。高度IT人材を目指す人は知っておくべきフレームワークと言えます。

本ページでは、SECIモデルの基本概念や4つのフェーズ:表面化、外部化、結合、内面化を通じて、個人の知識を組織全体で利用可能な知識に変換するプロセスについて解説します。また、実際の応用例を通して、組織における知識管理の取り組みを強化する方法も紹介します。

SECI(セキ)モデルの全体理解へのガイド|ナレッジシェアツール導入後の注意点も紹介

SECIモデルとは:基本概念と理論の枠組み

SECIモデルは、組織内での知識創造プロセスを理解するために開発された枠組みで、知識の共有と創造を4つの相互に関連しあい組織の革新と成長を支えます。

この枠組みは、知識を静的な資産ではなく、ダイナミックに変化し個人間で共有されることで新たな価値を生み出すプロセスと捉えています。その結果、組織全体のイノベーションと成長が実現するという考えています。

SECIモデルの4つのフェーズ詳細解説

SECIモデルは、組織内の知識創造と共有において4つの重要な段階を踏み、イノベーションを推進し、知識管理を効率化します。

具体的には、同僚間の経験や知見の共有から始まる「共同化」、
そこで得られた暗黙知を言語化し共有可能な形式知に変換する「表出化」、
集められた形式知を組み合わせ、新たな知識を創造する「結合化」へと進み、
最終的には、その新しい知識を実践を通じて個々人の暗黙知へと「内面化」します。
このサイクルを通じて、組織内での知識の質と量は向上し、持続可能な成長が促進されます。

SECIモデルの4つのフェーズ詳細解説

(出典:野中郁次郎ほか「知識経営のすすめ」筑摩書房)

共同化(Socialization):知識の共有プロセス

SECIモデルにおける知識の共有の最初の段階で、経験や技術などの暗黙知の共有が中心となります。OJTで同じタスクを共同で行うことや、ミーティングの同席で、暗黙知を共同化します。

暗黙知から暗黙知への変換の手法と事例

暗黙知を共有する最も効果的な方法は、経験やスキルの直接的な伝達にあります。このアプローチの重要性は、暗黙知というものが、その性質上、言葉による伝達や文書化によって容易に共有されるものではないためです。暗黙知は、個人の経験や行動を通じて培われた知識であり、これらを直接触れ合いながら伝えることで、受け手も同じレベルの理解を得ることが可能となります。

したがって、暗黙知をより効果的に共有するためには、直接的なコミュニケーションや実践的な体験を通じて、知識を伝え合うことが推奨されます。このアプローチによって、個人が持つ経験や技能を組織全体の財産とすることが可能となり、組織の知識基盤の強化につながります。

表出化(Externalization):知識の形式化へのステップ

外部化とは、組織における知識形式化の重要なステップであり、暗黙知を形式知へ変換し、それを組織全体で共有しやすくするプロセスです。

この過程を通じて、個々人の持つ暗黙のスキルや経験が文書やマニュアルといった形式知に転換され、組織全体のイノベーションやスキルの向上に貢献します。特定の方法やツールを用いることで、個人の知識を組織の価値に変え、新しいアイディアの創出を促進することが可能になります。チームや組織全体で知識を共有し、メンバー全員の”知識”へのアクセスしやすくなります。

「なにがナレッジかわからない」を阻止:暗黙知から形式知への変換の方法とツール

「なにがナレッジかわからない」を阻止:暗黙知から形式知への変換の方法とツール

暗黙知を形式知に変換することは、組織内の知識共有を促進し、知識の活用を拡大させる効果的な手段です。暗黙知は、個人の経験や直感に基づいた知識であり、その性質上、言語化や文書化が難しく、組織内での共有が限られがちです。また、知っている人の中では「当たり前のこと」で、「わざわざ形式知化するものではない」と判断し、形式知化されないというケースが多々あります。

これを解決するために、アウトプット項目を柔軟に設定できるナレッジシェアツールで、暗黙知を形式知に変換が可能になります。この知識を組織内の他のメンバーが容易にアクセスし、学習し、活用することが可能になります。

このような方法で暗黙知を形式知へと変換し、組織全体で共有することにより、個人の経験やノウハウが組織全体の財産となり、組織のイノベーション能力の強化に貢献します。それにより、組織は外部の変化に適応しやすくなり、持続可能な成長を実現するための基盤を築くことができます。

結合(Combination):知識の組織化と体系化

結合フェーズでは、異なる情報源からの知識を集結させ、価値ある体系的な知識に変換します。この段階は情報の整理や知識管理システムの有効な活用が特に重要となり、新しいアイディアや製品、サービスの開発に直接的に貢献します。組織内での知識共有やイノベーションの促進を図る上で、このプロセスは不可欠です。

この過程を通じて、個々人の持つ暗黙のスキルや経験が文書やマニュアルといった形式知に転換され、組織全体のイノベーションやスキルの向上に貢献します。特定の方法やツールを用いることで、個人の知識を組織の価値に変え、新しいアイディアの創出を促進することが可能になります。チームや組織全体で知識を共有し、メンバー全員の”知識”へのアクセスしやすくなります。

形式知から形式知への変換のプロセスと事例

形式知から形式知への変換のプロセスと事例

形式知から形式知への変換は、組織内の知識体系化において非常に重要な役割を果たします。このプロセスを通じて、既存の情報やデータを再構築し、組織化することで、知識がよりアクセスしやすく、効率的に活用可能な形になります。

例えば、企業が市場調査のデータを基に競合分析レポートを作成する場合、このプロセスは形式知から形式知への変換の一つと言えます。このようなレポートは組織全体で共有され、新たな戦略立案や意思決定のための有力な情報源として利用されるのです。

この変換プロセスは、知識を整理し体系化することによって、組織内の知識管理を強化し、イノベーションの創出につなげることができます。

知識体系化を進めることで、組織全体の情報共有がスムーズになり、さまざまな部門やチーム間での協力が促進されることで、新たなアイディアやソリューションの創出につながるのです。企業が持つ知識資産を最大限に活用するためには、形式知から形式知への効果的な変換プロセスの実施が不可欠であり、組織全体で取り組むべき重要な課題の一つと言えるでしょう。

内面化(Internalization):経験からの学習と知識の内面化

内面化は、個人が実際の経験から学び、その知識を自分のものとして吸収することに重点を置いています。このプロセスを通じて、形式知や他者から得た情報が、個人の経験やスキルセットと統合され、知識はより深く理解され、習熟されます。内面化は、以前に学んだことを現実の新しい状況や課題に応用できるようにするため、個人の学習サイクルを完結させる不可欠な段階です。

形式知から暗黙知への変換の技術と学習法

形式知から暗黙知への変換の技術と学習法

形式知から暗黙知への変換は、従業員が組織内の既存の知識をそのスキルや直感として個人的に統合することを可能にするプロセスです。この過程を通じて、形式的に記述された手順やマニュアルの知識が、実際の作業や意思決定において、より効果的に活用されるようになります。

たとえば、問題解決の際にマニュアルを基に直感的に最適な解決策を導き出す能力が、この変換によって従業員に培われます。このようにして、形式知が個々人の暗黙知として体得されることで、よりスムーズかつ効率的な意思決定が可能となり、組織全体のパフォーマンスも向上します。

研修プログラムやワークショップを通じて、形式知の活用方法について学び、それを実践の中で自分なりに内面化する機会を持つことが、暗黙知への変化を促します。このような教育の取り組みは、従業員が新しいスキルを身につけ、自らの業務に活かすことを助けるだけでなく、創造性やイノベーションの促進にも繋がります。したがって、形式知から暗黙知への変換を促進することは、個人の成長と組織全体の発展に寄与する戦略として、極めて有効であると言えるでしょう。

SECIモデル実現のためにナレッジ管理ツールを導入で解決、ではない

SECIモデル実現のためにナレッジ管理ツールを導入で解決、ではない

SECIモデル実現をうたうナレッジシェアツール、ナレッジ管理ツールは数多あります。

どのツールを導入しても、「社員が活用してくれない」「ナレッジシェアツールから知りたい情報が得られない」「重要事項・機密事項などをナレッジシェアツールに共有するのに抵抗がある」という声は往々にして上がります。

リックソフトは、ナレッジシェアツールとして世界約10万社がつかう「Confluence(コンフルエンス)」のライセンス販売とサポートを提供しています。ツールの導入だけでなく、ツールが組織に定着するベストプラクティスや事例を持ち、伴走支援も行っています。

ジャイル開発でよく聞くスクラムとは?
#5 ナレッジマネジメントを始めたい! カスタマーサクセスからのおたより
お気軽にご相談ください。
各種お問い合わせ、ご質問など以下よりご相談ください。
お問い合わせ
お問い合わせ
Confluence ロゴ
社内の情報を 蓄積&活用する
ナレッジマネジメントツール Confluence(コンフルエンス)
Confluenceの製品詳細
製品について詳細はこちら
Confluenceの製品詳細
Confluence の導入事例
チームコラボレーションツールの有効活用で
エンジニアおよびバックオフィス部門のナレッジ共有を実現
Confluence 導入事例
詳しくはこちら
Confluence 導入事例

関連記事

  • システム管理・DX担当
レガシーシステムのモダナイゼーションとは?

レガシーシステムのモダナイゼーションとは?マイグレーションとの違いや代表的な手法を解説

レガシーシステムとは、新たな技術の登場によって相対的に古くなってしまったITコンピューターシステムのことを指します。新技術との比較で判断されるため、具体的な年数などの明確な定義はありませんが、昨今ではさまざまな企業がレガシーシステムを最新の製品や設計に置き換える取り組み「モダナイゼーション」に取り組んでいます。

  • DX
  • 業務効率化
  • 開発部門
  • システム管理・DX担当
IT分野におけるアセット管理とは?

データ活用の促進や生産性の向上が図れるデータ連携|具体的なデータ連携の方法やツールの選び方を解説

昨今さまざまなデータがビジネスにおける資源として活用されており、新たなチャンスの獲得や業務の効率化などの効果が注目されています。本ページではデータ連携のメリットや方法、ツールを選ぶ際のポイントを解説します。データ連携や分析におすすめのツールについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

  • DX
  • 情報共有
  • 業務効率化
  • マネジメント部門
  • システム管理・DX担当
構成管理の基礎知識

構成管理の基礎知識|必要性や管理項目、管理ツールについてわかりやすく解説

IT技術の進歩と複雑化により、ITシステムの構成管理がより一層必要とされています。とはいえ、「IT資産管理だけでは不十分なの?」「どのような情報をどうやって管理すればいいの?」このような疑問を持っている方もいるでしょう。

  • DX
  • コンプライアンスの向上

一覧へ戻る

資料ダウンロード お問い合わせ PAGE TOP
資料ダウンロード お問い合わせ