2024.01.19更新日:2024.03.29
「Windows Updateをダウンロードしてバージョンアップをしたらパソコンが動かなくなった」
「自社で使っているシステムに障害が発生した」
「プリンタとサーバがうまくつながらない」
「インターネットがつながらない」
こんなときに応対するのが社内向けの「ITサポート」チームです。ベンチャー企業や、IT投資が計画的に行われなかった場合、総務や「社内にいるITに詳しい人」がなんとなく引き受けてしてしまうケースもありますが、組織の成長とともに、その体制では業務が破綻してしまいます。また、事務所が多拠点にわたり、「事務所にいるITに一番詳しい人」に依存している場合、業務が属人化してしまいます。
健在な組織の成長にはいま、ITサポートチームが欠かせません。この記事では、これからITサポートチームを立ち上げようと思っている組織に向けた注意点について解説します。社内のITサポートを効率化するツールについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ITサポートとは、企業におけるシステムやソフトウェア、デバイスにまつわる様々な困り事を解決に導くサポート業務を指します。
具体的には後述しますが、一般的には企業が利用するデバイス、システムやソフトウェアの保守・点検、監視・運用を担当しつつ、システムやソフトウェアを利用していく際に生じたあらゆる技術的なトラブルに対応するといった業務を指すことが多いです。
企業が社内で導入しているITシステムの数が各企業増加傾向にあります。技術の多様化につれ、ITサポート業務に求められるスキルレベルは高度化しています。そのためシステムやソフトウェアが常に稼働していて当たり前の現代において、ITサポートに求められる役割はますます大きくなっていると言えるでしょう。
ITサポートは事務に近い業務であるイメージもありますが、実際は社内システムが円滑に稼働するための様々な役割を担っているため、その業務内容は多岐にわたります。また、セキュリティやアカウント管理といったITに関する高度な専門性も求められるため、導入済のITツールの数ととも難易度は上がります。
ここではITサポートの4つの業務内容について解説します。
1つ目の主な業務内容は、自社製品のユーザーや社内システムの利用者など、社内外からの問い合わせへの対応です。
問い合わせ内容は製品の使用方法に関するものから、技術的な問題に関するものまで多岐に渡ります。
また製品やシステムがアップデートされるたびに新しい問い合わせも生じることから、過去の事例も踏まえつつ、広範囲なスキル・知見を継続的に習得していくことが求められます。また、問い合わせ対応は利用者の利便性や満足度を直接左右するため、話の内容を上手に聞き出すヒアリング力や問題の解決に向けた対話スキルも求められます。
2つ目の主な業務内容は、社内で導入されているITシステムの定期的な保守・運用です。具体的にはサーバーやクラウドの管理、システム情報(ユーザー情報・ライセンス・ソフトウェア製品の期限)の更新やアップグレードが含まれます。社内でライセンス切れ・商用利用不可のライセンスを使っていた、ということが起きないようにも、社員のITリテラシー向上やライセンスについて周知する関する業務も併せて行う必要があります。
ビジネスで利用しているシステムの設定等を修正・更新することから、ITスキルを持った人材が慎重かつ迅速に対応することが求められます。
3つ目の主な業務内容は、システムの障害発生時における各種対応です。
具体的には、システムや機器が故障した場合の復旧作業の主導・実行や、業務停止などビジネスへの影響を最小限に抑えるための代替策の案内等があります。
これらの対応は自社で完結するものではなく、時にはメーカーや修理業者への依頼や、システム利用者との業務調整など、多様な関係者とコミュニケーションをとりながら、迅速な復旧対応を主導する力が必要となります。
また、災害リカバリプランの作成やテストといった、システム障害が起きたときに備える準備についても、障害発生時の対応の円滑化・影響の局所化という観点で重要な業務です。
4つ目の主な業務内容は、自社が持つIT資産の管理およびそのIT資産の構成管理です。
IT資産管理とは、企業活動を行う上で利用するIT機器やOS、ソフトウェアなど、ハードウェア・ソフトウェアを問わずIT関連の資産を管理することを指します。例えば、雇用や退職に伴うアカウントや社員に貸与するPCの管理などがあります。自社で保有するIT資産を正しく把握・管理することは、セキュリティ対策からコンプライアンス準拠までの幅広いビジネス要求を満たす上で不可欠です。
一方で、IT構成管理とはITシステムを滞りなく提供し続けるために、IT資産をシステム構成の観点から管理することです。IT資産がどのようなハードウェアやソフトウェアから構成されているかを正しく把握・管理することで、システムの安定した稼働や、IT投資計画の最適化に繋げることができます。
これらの活動を通じ、ITサポートは企業がシステムやソフトウェアを最大限に活用できるようサポートする役割を果たしています。
ITサポートはビジネスを進める上で必要不可欠ですが、社内でITサポートを実施する場合、綿密な計画やリソースの確保等、いくつかの障壁が考えられます。
ここでは、その際の注意点を4つ示します。
1つ目は、ITサポートが実施出来るようなIT人材の確保が難しいという点です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の統計調査によると、ユーザー企業の9割近くが『IT人材が大幅に不足してる』、『やや不足している』といった回答をしています。
ITサポートを実施するにはITに対する一定の専門性が必要ですが、そのような人材を自社で育成するには一定の時間とコストがかかります。また、そもそも社内にITに対する素養・適性を持った人がいないといったケースも想定されます。
社内ではなく社外に目を向けた場合でも、IT人材に対するビジネス上のニーズは日に日に増しています。外部から優良なIT人材を採用したり、社内のITサポート業務をまるごと外注するケースもありますが、大きなコストがかかる上、社内のIT人材が育成されません。
そのため極力、自動化や効率化を進めてITサポート業務のボリュームを抑えつつ、計画的に人材育成・獲得を検討するのがよいでしょう。
(参考:独立行政法人情報処理推進機構:IT人材白書2020 )
仮にIT人材が社内にいた場合でも、冒頭で述べたよう、そのような人材は別の業務に携わっているケースも多いでしょう。その場合、その人材に対してITサポート業務のみではなく他業務との兼任を求めることになり、その社員に対する業務負担が増加する可能性があります。
ITサポート業務については冒頭でも述べたように企業活動にとって非常に重要な意味を持ち、多くの場合24時間体制で正確かつ迅速な対応を求められる、非常に繊細でハードな業務です。
そのため、ITサポート業務は原則他の業務との兼務は推奨されません。また、別業務と兼務をしていることで、ITサポート対応が遅くなったり、システム障害時に業務継続できなくなるといったより重大な問題を引き起こす可能性も生まれてしまいます。
これらを防ぐため、ITサポートは独立し、業務量を踏まえて複数人で実行する体制を検討するのがよいでしょう。
ITサポート業務を運用するには、ハードウェア以外にも、サポートに必要なソフトウェアやそれを使うネットワークといった設備投資が必要です。
また、ITサポート業務に必要な知識やスキルを習得・維持するために、ITサポート業務を行う社員に対して研修を継続的に受講させたり、資格取得支援制度を整えるといった人材育成コストも発生します。このため、ITサポート業務を運営するコストがかさむことも見込まれます。
このコストを抑制するためには、予算及び想定されるコストを適切に計画・管理しつつ、人材育成については、かかる期間・コストを踏まえて時には外注するといった選択肢を検討することも一案です。
これまで「あの事務所で一番ぞITに詳しい人が対応してきた」「これについては、XXさんが詳しい」と問い合わせ先がサイロ化されていた組織でITサポートチームを編成する場合、問い合わせをする人の問い合わせ方法がそれぞれ慣れた方法のため、バラバラになりがちです。ある人は内線で、ある人は社内チャットで、ある人はメールで、またある人は出張先から外線電話で、問い合わせをします。
ITサポートチームが2人以下の場合、「誰からきた問い合わせを、いつ回答したか」という確認は容易ですが、3人以上となった場合要注意です。「誰が、いつ、どの部署の誰から受けた問い合わせがあるか。それは解決済か」といった問いあわせの進捗状況が見えづらくなります。
サポートチーム内での情報共有が必須になります。
ITサポートは、現代のIT化が進む社会においてビジネスを進めるうえでは欠かせない重要な業務です。ただ、業務範囲も多岐にわたり、一定のスキルを持った要員も必要なことから、社内でITサポート業務を上手く実施していくためには業務効率化が欠かせません。
この効率化に向けておすすめしたいのが、インシデント対応、サービスリクエスト、問い合わせなどを一元管理できるツールである「Jira Service Management」です。
ここではITサポートの4つの業務内容について解説します。
Jira Service Management(マネジメント) | 製品 | リックソフト
このツールはITサービス管理のベストプラクティスを集約したガイドラインであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠しており、ユーザーフレンドリーなインターフェースと強力なカスタマイズ機能により高水準のヘルプデスク/インシデント管理を可能にします。
リックソフトではJira Service Managementの導入事例が非常に豊富であり、ヘルプデスクをはじめとして、導入から運用までを手厚くサポートする体制も備わっています。
SCSKプレッシェンド株式会社様【サポートサービス編】 | お客様事例 | リックソフト
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