2023.07.31更新日:2024.03.15
チームで業務を行う上で必要不可欠なチームメンバーの「タスク管理」。皆様の組織ではどのような方法でタスク管理を行っているでしょうか。働き方の多様化や組織のDX化が進み、より効率性を重視した働き方が求められる今、チームのタスク管理方法も多種多様になっています。
本ページでは2024年に知っておきたいタスク管理をチーム単位で行うメリットや方法についてご紹介します。
個人のタスクを管理する「ToDoリスト」ではなく、チームで抱えている業務(タスク)の進捗を可視化するITツール、いわゆる「タスク管理ツール」を導入する組織が増えています。
タスク管理ツールは業務上、メールや電話のように必ずしも業務に欠かせないツールという訳ではありません。それでもタスク管理が重要視され、数多くのツールが登場している理由に、私達の働く環境が急速に変化していることが挙げられます。
また、業務内容そのものが複雑になってきました。タスクとタスクの相関関係が生じ、単純な手書きのリストやスプレッドシートではタスク同士の依存関係やタイムラインが追跡しづらくなってきています。
チームメイトひとりひとりに、目の前の業務だけでなく、プロジェクト全体のロードマップ、マイルストーン、スコープ、影響範囲などを把握するようにも求められてきています。
ここ数年で日常的な業務においてもスマートフォンやタブレットを用いることが増えました。
これまでチームでのタスク管理といえばミーティングやホワイトボードでタスクを一覧化し共有する組織が主流でした。
しかしスマートフォンやタブレットの普及により 外出先や職場にいなくてもタスクの管理や共有、調整などが可能になったため、場所を問わずタスクを一元管理できる環境を整えることは非常に重要です。
長時間残業が当たり前となっていた世の中の流れが変わり、働き方改革を背景に長時間労働の見直しが多くの企業で行われています。
より効率性を重視しながら生産性を求めていくという意識が組織全体で広がっているでしょう。
労働時間だけではなく働き方の多様化も急速に進みました。
テレワーク、ワーケーションなど会社にチーム全員が出社しコミュニケーションを取るのが当たり前という労働環境ではなくなりました。
また、会社に決められた労働時間ではなく、自分の生活スケジュールに合わせて労働時間帯を決めるフレックススタイル・コアタイム制度をとるワークスタイルがあります。
職種や業態にもよりますが、より良い人材を獲得するために、このような柔軟な働き方が現在の日本のオフィスでも広まりつつあります。
ここのような働き方でマネジメント層がメンバーの進捗を管理するのに便利なのが、タスク管理ツールです。メンバーの今抱えているタスクがどれくらいあるのか、優先度は正しく設定されているか、進捗状況はどうなのか、などを対面で確認することが難しい場面も増えつつあります。
ビジネスがデジタル化するにつれて、セキュリティとデータ保護の重要性が増しています。
多くのタスク管理ツールはデータの暗号化やアクセス制御などのセキュリティ機能があるため、企業のデータを保護するのに役立ちます。
タスク管理は「作業の見える化」「コミュニケーションの活性化」「トラブル・リスクの回避」など、チームマネジメントやプロジェクトを進行する上でとても役に立ちます。ここではいくつかのメリットについて解説します。
タスクをチーム全体で見える化することで、各メンバーの抱えている作業内容やその進捗を全員で視覚的に把握することができます。
プロジェクトやタスクに期限が設けられている場合はリーダーが細かいフォローをしたり、メンバー間の自発的な協力を促したりできるため、納期を守ることにもつながるでしょう。
またタスク管理を一元化できれば、ひとりひとりの業務量を可視化できます。
ひとりのメンバーに業務が偏っていないか確認がしやすくなります。
チーム全員でタスク管理と共有が習慣化できれば、各メンバーが個々人が抱えているタスクを一覧化し、全体感を把握したうえで業務の優先順位を付けながら段取り良く業務を遂行できるようになるというメリットもあります。
テレワークや営業職のようにオフィスに不在で動く職種の場合、どうしても自分の業務を遂行することの優先順位が高くなり、チームへの貢献やチームとして持っている仕事という意識が薄れてしまいがちです。
顔を合わせたコミュニケーションの機会は減少していたとしても、タスク管理ツールで「どの仕事がいまどの状況にあるか」「誰がいま何をしているか」をメンバー同士で把握できていると、互いのフォローなどもスムーズにいきます。
業務を進める上で、突発的なタスクの発生や思わぬトラブルによる進捗遅延などの問題はよくある話です。タスク管理によるプロジェクトの進行やチームマネジメントをしておけば、常にメンバーの状況や業務の進捗を把握できているため想定外の問題にも担当者以外の者でも対応が可能です。
また、トラブルが深刻化する前に問題や課題に気づくこともできるため、遅延や作業漏れが発生しにくい仕組みづくりができるというメリットもあります。
チームメンバーになにかトラブルがあった際にも、チーム内の別のメンバーで業務を巻き取るなどが可能です。業務の属人化防止といった効果も期待できます。
現在、チームメンバーはどのようにタスク管理をしているのでしょうか。多くが個人単位で、物理的な手メモや手帳やデスクトップ上でTodoリストを作成したり、Gmailなど無料で使える個人向けのTodoリスト機能、あるいは有料タスク管理ツールのフリープランを個人で使っているかと思います。またチャットツールでラベルを貼ったり期日をリマインドする人もいるでしょう。
すべてのタスク個人タスクをチーム共有するのではなく、「個人単位ではなく、チームで共有すべきタスク」があることと、チーム全体のタスクマネジメントをする重要性を、メンバーに周知する必要があります。メンバーには、導入意図を「業務効率化のためのタスク管理」ではなく、ワークシェアの視点もあることを伝えるとよいでしょう。
タスク管理にはさまざまな方法があります。タスク管理の重要性が高まったことによりその方法も多様化しているため、チームに適したやり方を選択することが大切です。
エクセルやスプレッドシートでの管理表作成は既に多くの企業で採用していることから「操作に慣れている」「参考になるユースケースが多い」などのメリットがあります。無料で気軽に導入できるという点も、さまざまな場面で活用される大きな理由の一つです。検索すると、無料でダウンロードできるフォーマットがいくつも出てきます。
一方でデメリットもいくつかあります。
エクセルやスプレッドシートはPC向けに作られている為、スマートフォンでは操作がしづらいです。働き方や作業場所が多様化している組織では不向きでしょう。またエクセル・スプレッドシートは表計算ツールなので、複雑なタスク管理には適していません。
チームメンバーが同時に画面を開いていた場合、ファイルが競合しどちらかのデータしか反映されません。メンバーのリアルタイムでの同時編集ができません。
同じファイル名だと上書きされるため、バージョン管理(版管理)ができません。一部のデータやシートが先祖がえりをすることもあります。
簡単な編集であれば容易にできますが、プロジェクトを進める中で大きな変更が発生する場合や詳細な進捗管理が必要になる場合は、シートの修正に多くの工数がかかることも懸念されます。チームメンバーが良かれと思って関数を設定したとしても、そのメンバーが抜けたとき、「仕様書」なるものは残されていないことが多く、再現できなくなります。隠れたエクセル職人が抜けたときのトラブルはあまた報告されています。エクセルを使うときは上記の点に注意ください。
エクセルやスプレッドシートで管理することが難しい場合や、複数のプロジェクト・部署に応じてタスクを管理したいという時はタスク管理ツールの導入がおすすめです。
無料、有料さまざまなツールがあり、どのような業務で利用するのか、人数、期間に応じてツールを選ぶ必要があります。ほとんどのツールにはトライアル用の無料期間があります。まず一人で試してみて、少しずつチーム全体に広げてチームのタスクマネジメントに成功するパターンが定石です。
いまや、クラウド型のタスク管理ツールが数多あります。インターネットを経由して使用することができるためインターネット環境があればどこでも利用することが出来ます。システムのインストールが不要で、初期設定も容易であることが多いです。
かんばん方式とはトヨタ自動車が生産の工程管理に用いていた方法です。
(※)プロジェクトに必要なタスクをカードに全て書き出し「カンバンボード」と呼ばれる管理ボートに一覧化します。
ボードには「未着手」「進行中」「完了済み」と進捗状況に応じてリスト分けがされている為、状況に応じてカードを移動させ管理する手法です。
この進捗状況(ステータス)は追加できるので、「先方待ち」「納品待ち」など業務にあわせてカスタマイズが可能です。
かんばん方式のメリットは、進捗の言語化によりワークフローを明文化し、無駄なタスクを削減したり、誰がどの業務を担当するのかを可視化したりして業務量の均一化を図ることができる点です。
(※)トヨタ自動車株式会社.「かんばん方式とは何ですか?」
https://global.toyota/jp/kids/faq/parts/002.html (参照2023-02-07)
カンバンボードを用いたタスク管理ツールで代表的なのが「Trello」です。タスクは「カード」として表示し「ボード」に付箋を貼るように追加、整理をして管理します。基本設定はシンプルかつ使いやすくガントチャートの自動設定などもできるため、世界中で多くのユーザーに利用されています。
Trelloの特長は、直感的な操作性です。タスク管理におけるボードではクリック一つでカードの追加ができ、移動はドラック&ドロップで付箋を貼りかえるように操作できます。基本機能だけでも十分タスク管理はできますが、多様な拡張機能を追加することでより高性能かつ自分が使いやすいようにアレンジできるのも魅力的です。
同じくカンバンボードでタスク管理ができるツールは、「Jira Work Managemen(ジラ・ワークマネジメント)」です。タスクを「チケット」で整理し、課題解決の進捗状況を管理できます。Jira Work Managementの強みは、プリセットのテンプレートの豊富さと、設定による柔軟性です。ユーザー数によっては無料で利用できるツールです。
例えば人事部が担当する新入社員の受け入れにあたり、初出社日までにやるタスク「内定受諾」「入社日調整」「ITプロビジョニング」「入社準備完了」をステータスごとに並べています。各人名をクリックすると、これまでの経緯や現在の担当者などを記載できます。これらのワークフローのステータスを追加したい場合も、チームの状況によってカスタマイズがかんたんにできます。
また、Jira Work Managementは外部ツールとの連携が可能です。ステータスや担当者が変更されるとSlack上でJiraの通知設定が出来たり、Googleカレンダーなど外部SaaSツールとの連携が可能です。複数のツールと連携させることでより効率的なタスク管理が可能です。
ここまでチームやプロジェクトにおけるタスク管理のメリットや方法、ツールの紹介をしてきましたが、皆様ご理解いただけましたでしょうか。実際に導入するとなるとツールの機能を使いこなせるのか、社内で上手く周知できるのかといった不安もあります。
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