2023.09.21更新日:2024.03.01
プロジェクトマネージャーやチームリーダーの業務を行っている方にとって、「日々の中でもっと効率の良い予算管理方法はないか悩んだことがある」という経験は少なくないでしょう。また、上長や外部のビジネスアナリストへの報告書や進捗報告に手間がかかってしまうこともあるかと思います。
本ページでは予算管理における管理担当者の課題点や、プロジェクト単位での予算管理、財務状況の把握を効率的に行うための代表的なツールをご紹介します。
予算管理とは、プロジェクト全体で発生する売り上げやコストを想定して、計画と実績の差分をなくすために行う作業です。
プロジェクトの実施前に予算管理を徹底することで、綿密な予算計画を立てられ、結果として自社の不利益を防ぐことができます。
担当者には、予算の設定、管理、調整のスキルが求められます。しかし予算管理業務はスムーズに行かないことも多く、適切な予算管理を行うにはさまざまな課題を解決していく必要があります。ここでは予算管理業務で発生しやすい課題について詳しく説明します。
予算管理と一言で言っても、実績を残すためにはさまざまな視点で金銭の動きをチェックする必要があります。以下の4つの視点を持つことが大切です。
売上予算 | プロジェクトが開始された時点で確定している、もしくは、見積もりに基づく見込みの売上のこと。目標ではなく、現実的に得られる予定の売上額のことを指す |
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経費予算 | プロジェクトが開始時に想定されるプロジェクトの進行にかかる経費。具体的には、物品やサービスの購入費、交際費、出張費などが含まれる |
原価予算 | 製品の原材料やサービスの提供、仕入れに必要な費用など、あらゆる原価に対する予算のこと |
工数予算 | プロジェクトを完遂するために必要な工数にかかる費用のこと。精度の高い工数管理が必要となるため、週次や日次での予算管理を行う事もある。一般的には、プロジェクトの期間と総工数から管理のスパンを決める |
予算管理のさらなる手法の一つとして、EVMという管理方法があります。
EVMとはアーンドバリューマネジメント(Earned Value Management)の略で、プロジェクトが計画した通りに進んでいるかを期間ごとに予定の評価額(PV)、出来高(EV/完了した作業の評価額)、実績値(AC)の積み上げ折れ線グラフの表示によって管理する手法です。
単位をコストにし、折れ線グラフ化で管理することにより、計画通りのコストで進捗しているかどうかを一目で把握できます。
プロジェクトの進行中も仕入れ数や製造量は売上に応じて変動するため、定期的な調整が必要です。
特に予算と実際の出費に乖離が見られる場合は、早めの軌道修正が必要になるでしょう。状況が把握できないまま手遅れとならないよう、予算管理担当者は都度プロジェクトの計画と実績の差を確認した上で、レポートにまとめて進捗の報告を行うことが大切です。
またどのくらい乖離が生じたら対策を実施するのかの線引きをしておくなどの基準を、あらかじめ決めておく必要があります。
予算管理業務は、プロジェクトマネージャーやチームリーダーが担うケースが多いです。
こういったポジションの担当者は、プロジェクトメンバーのタスク管理やプロジェクト全体の進行管理、クライアントとの打ち合わせなど、大量のタスクを抱える傾向にあります。効率よく進めるには、さまざまな課題を同時並行で処理していかなければなりません。
プロジェクトの予算管理における負担を減らすには、自社に合った形で管理や分析をサポートしてくれるツールを活用するのがおすすめです。ここでは代表的な2つのツールを紹介します。
予算管理は、表計算ツールのExcelで始めることができます。プロジェクトや事業ごとにシートを分けて管理し、複数の予実管理を同一ファイルで行うのが一般的です。Micorsoft365を導入している企業は稟議や決裁を待たず無料で使い始めることができます。EVM用のエクセルテンプレートを配布しているウェブサイトもあります。関数やマクロなどを使えば複雑な計算を自動化できるというメリットもあります。
一方でExcelによる管理は、問題点もあります。
業務の正確性が重要とされる予算管理を行うには、課題が残ります。
予実管理ツールはその名の通り予実管理に特化したツールです。予算管理ツールにはオンプレミス型のものとクラウド型のものがありますが、複数人で同時入力ができるクラウド型のものがおすすめです。
自社に合った機能が搭載された予実管理ツールを導入すると、複雑な設定をせずとも必要な項目を入力するだけで予実管理ができるようになり、Excelでの管理と比べて予実管理にかかる作業工数を削減可能です。
例えばデータの共有や大容量データの処理、フォーマット化したい帳票の自動作成ができるものなら、工数や原価などを含めた多角的な視点からの予実管理を実現できます。
ただし使用するツールによっては、一定のランニングコストがかかるでしょう。また既存の会計ソフトや原価管理システムなどと互換性がなく、使いたくても導入を断念せざるをえないようなケースも考えられます。
「Jira Software」は、ソフトウェア開発でおなじみのプロジェクト管理ツールです。すでにJira Softwareでプロジェクトのタスク管理をされている方も多いと思います。
タスクをチケット管理で“見える化”し、そこからプロジェクト進行の際に必要に応じてワークフロー作成もできるため、タスクを管理しながら予算策定の指標を作成できます。
また拡張機能のガントチャートなどを活用して精度の高い工数管理を行い、プロジェクトの工数予算を導き出すことも可能です。
さらには豊富なレポート機能がデフォルトで備わっており、簡単な設定を行うだけでレポートを自動作成してくれるので、先述したプロジェクト予算の管理担当者が抱える業務の課題を大幅に減らせるようになるでしょう。
Jira Softwareをお使いで「同じ人が複数プロジェクトに参画しているため集計が困難」「工数管理を行う際に入力工数がかかる」といった課題を抱えているお客様にはのアドオン「Timesheets(タイムシート Timesheets -AI Jira Time Tracker- O365, Google & more- Tempo)」がおすすめです。
Timesheets ではカレンダー、課題画面、タイムシートのどこからでも工数入力ができ、入力工数の短縮やトラッカーによる記録も可能です。また複数プロジェクトを横断した工数管理や集計ができるので、同じ人が2つ以上のプロジェクトに参加して集計が複雑になっているような状況でも、素早く集計できます。
「Advanced Roadmaps for Jira」を活用すれば、作業を戦略的かつ現実的に計画し、組織目標の達成状況から複数のチーム・プロジェクトの作業進捗まで、1つのロードマップで計画・追跡できます。
Jira Softwareの基本ロードマップでは対応できない依存関係の整理、事業戦略達成状況の可視化、リソース管理にも対応しています。
ここまで予算管理における予算管理担当者の課題やそれを解決するためのツールをご紹介しました。プロジェクトマネージャーやチームリーダーとして予算管理を行っているが、予算の管理がうまくいっていないという方は、ぜひRicksoftにご相談ください。それぞれのプロジェクトに合った解決方法をご提案します。