2023.08.31更新日:2024.01.05
DXの推進によって、これまで外注していた社内用システム開発を社内で行う(社内システムの内製化)企業が増えています。それに伴い、昨今のIT・DX人材が確保できない企業は社内で人材を育成する必要に迫られています。
本ページではシステム内製化を行うために人材育成が必要な背景や、具体的なステップについて解説するとともに、内製化プロジェクトを効率的に管理するツールを紹介します。
人工知能、生成AIにビッグデータなど、先端技術が生まれてからビジネスの場で実用化されるまでのスパンが短くなっています。
デジタル技術を活用して新たな価値やビジネスモデルを創造するデジタルトランスフォーメーション(DX)は、事業や顧客の環境が目まぐるしく変化する現代において不可欠なものとなりつつあります。
しかし、それをビジネスのワークフローを取り込めるリテラシーを持った人材は不足していいるのが現状です。
そこで、システムの開発や運用を外部の企業へ委託せずに自社内で行う「内製化」が、DX実現のための手法として重要性が増しています。内製化は外部のSIerに依存せずにスピーディーな開発を可能にし、かつ仕様の変更に対して柔軟に対応できるメリットがあります。
短期間でリリースと改善を繰り返すアジャイル開発なら、急速に変化する顧客の価値観やインサイトに合わせた柔軟なアプローチが可能となるため、好相性な手法と言えます。ここ数年でも、消費税増税やインボイス制度導入など法律の変化がありました。それに合わせたシステムの変更ができるのが特徴です。
とはいえ、IT人材・DX人材は不足傾向にあるため、新しい人材を中途採用で獲得するのは非常に厳しい状況が続いています。そのためIT・DX人材が確保できない場合、社内で内製化を担う担当者を育成する必要があります。
システム開発の内製化とそれを担う人材の育成を成功させるためには、長期的な視野と経営戦略に基づいて計画的に実行することが重要です。ここでは、社員をIT・DX人材に育成する5つのステップを紹介します。
リスキリングとは、新しい職業に就くために、または、今の職業で大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する・させることです。2022年の新語・流行語大賞にもノミネートされた言葉で記憶に新しい人も多いでしょう。
IT人材とはIT企業やユーザー企業情報システム部門に所属するITを担う人材であり、ITシステムを作り保守・点検することが役割です。論理的思考力やコミュニケーション力、新しい技術を取り入れていく柔軟性、自分で考え行動する力などを持つ社員が適しています。
社内には、プログラマのようなコーディングの知識はなくても、社内のワークフローやビジネスプロセスを理解している人材は多くいるはずです。
DX人材とはデジタル変革を実行する人材であり、ビジネスの目標達成のために適したIT技術を取捨選択する役割があります。求められる資質は、失敗を恐れず挑戦する姿勢、周囲を巻き込みながら協働する力、課題を正しく設定し解決に向けて創造する能力などです。
リスキリングは、まずは座学で必要な知識や技能を習得していきます。
DX人材にはAIやビッグデータ、UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)、データ分析なども専門知識として求められます。
プログラミングやプロジェクトマネジメントなどの知識、ツールの操作なども学ぶ必要があります。
企業はこれらを研修やオンライン講習で学ぶ環境を整える必要があります。
また「変革を恐れず挑む」「周囲を巻き込む」といったマインドセットやリーダーシップのスキルを習得できるような研修も並行して行うと良いでしょう。
座学で学んだ知識やスキルをOJTとして現場で活用し、実務経験を積んでもらいます。システム内製化を社内で実行中であれば、IT部門の人員としてアサインし、体制の強化を図れます。
リスキリング中の社員たちには、システム内製化のような大規模プロジェクトにアサインする前に、社内向けの小規模で短期間で終わるプロジェクトを担当してもらいます。規模を徐々に広げていけば、負担も少なく着実にスキルを身に付けられるでしょう。アジャイル型の開発手法を用いれば短期間で開発を繰り返せるので、IT・DX人材が経験を積むのに適しているでしょう。
アジャイル開発とは、一般的に1週間から4週間程度の反復期間を設定し、計画→設計→実装→テストという工程で小さな機能毎に開発を行う手法です。
機能毎に開発を独立して完結させ検証を行うので、要求の漏れや仕様の変更にも早い段階で対処できます。大規模なプロジェクトに比べて完了までのサイクルが短く難易度も抑えられており、スキルを身に着けていく過程にある人材でも成功経験を積み重ねていきやすいと言えます。
リスキリングや人材育成の過程と実務において得られた効果や失敗の事例を可視化し、社内で共有するステップも重要です。成功体験を社内で共有し、可視化することによってその後の人材育成の質をより高められます。また社内全体でDXに対するモチベーションや新しいものを創造する意欲が高まり、DXへの意識を広められるでしょう。
アジャイル開発を進める上で、効果的なプロジェクト進行管理の方法についてお悩みの方も多いでしょう。そこで効率的にアジャイル開発を管理し、生産性を高めるために設計されたツール「Jira Software」をご紹介します。
Jira Softwareはドラッグ&ドロップの操作を基本とした直感的なUI/UXを採用しており、ITスキルの成熟度にかかわらず抵抗なく導入できます。プロジェクトの規模の大小を問わず、アジャイル開発をサポートする以下のような機能を有しています。
システム内製化の過程や人材育成を進めるにつれ、社内でさまざまなノウハウが蓄積されていくでしょう。企業内でこうした情報を集約し共有するためのツールが「Confluence」です。
Confluenceは社内wikiとしてナレッジを管理できるほか、社内報やマニュアルの作成などさまざまな情報共有の用途に活用できます。クラウドサービスであるため、場所を問わず利用が可能で共同編集も行えます。Confluenceの主な特長は以下のとおりです。
スクラム開発におけるチームの役割を理解し、ハンズオン形式で実践します。JiraとConfluenceを活用してスクラム開発フレームワークのプロセスを理解し、実習では、自身の業務をイメージしながら、実際にスプリントを回してスクラム方式での作業を体験していただきます。
ここまで内製化を担う人材育成のためのステップやアジャイル開発およびナレッジ共有に役立つツールを解説しました。Jira SoftwareやConfluenceを含むAtlassian製品の導入時の支援から導入後のサポート、研修までを行うのがRicksoftです。
RicksoftはAtlassian Platinum Solution Partnerとして大小さまざまな規模の企業に対して導入から運用までのバリューチェーンを築き上げてきた実績があります。システム内製化やDX推進の担当者の方が自社に合った解決方法をお探しの際は、ぜひRicksoftにご相談ください。