WBSガントチャートと連携して、タスクと関連する課題や成果物問題の関連付けを、
直感的に実施できることが、Jiraを採用した決め手でした
大樹生命保険株式会社
大樹生命保険株式会社(以下、大樹生命)では、アプリケーション開発基盤整備の一環として、Jira Software、WBSガントチャート for Jira、Bitbucket Serverを導入。その経緯とねらいについて、日本生命グループのシステム戦略会社である大樹生命アイテクノロジー株式会社 技術・運用本部 基盤開発グループ 主管ITアーキテクト 額田 正之氏(写真左から2番目)、主任ITスペシャリスト 森脇 亮輔氏(写真右から2番目)、副主任システムズエンジニア 鈴木 貴敏氏(写真左)、2級システムズエンジニア 小林 将太氏(写真右)に詳しく聞きました。
創業1927年。「いつの時代も、お客さまのためにあれ」という三井財閥の総帥であった初代社長の団 琢磨氏による経営哲学のもと、「BESTパートナー」として、生命保険・医療保険・個人年金から資産運用まで、多種多様なニーズに応える保険商品をラインアップし、安心を提供し続けている。2016年、日本生命保険相互会社との経営統合による新体制を発足し、商品の相互供給を開始している。
大樹生命保険のIT戦略の中核を担うプロフェッショナル集団として、保険・金融ソリューションを提供。日本アイ・ビー・エム株式会社と日本生命グループのシステム戦略会社として設立された。
日本生命グループにおけるシステムおよびアプリケーション開発環境を整備・標準化するため、全社的に利用する開発ツールの選定やツールの利用支援といった業務を担当しています。
今回導入したJira Software(以下、Jira)、WBSガントチャート for Jira(以下、WBSガントチャート)、Bitbucket Server(以下、Bitbucket)の導入に関しても、私たち基盤開発グループが主導で選定をし、現在、利用を進めています。
アプリケーション開発に関する、タスク管理およびバグ管理を一元化するためにJiraを導入しました。WBSガントチャートは、Jiraと連携してWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)ツールとして利用しています。
2017年5月から本格的に利用を開始したところですが、現段階(2017年10月)での利用状況は次の通りです。
Bitbucketは、プルリクエスト開発を定着させるために導入しました。Jiraと連携しながらタスクやソースレビューの進捗状況可視化することを前提と考えており、全社的な利用はこれからとなります。
少子・高齢化や超低金利政策など、生命保険業界を取り巻く事業環境は大きく変わろうとしています。アプリケーション開発の現場にもその影響は波及しており、これまで以上に生産性の向上や迅速な対応が求められるようになってきました。
たとえば、多様化する顧客ニーズへと対応するため、商品ラインアップの多様化・細分化・グローバル化が進む一方、人手不足の影響から営業・サポート体制を維持・拡大するのが難しい状況が続いています。そのため、システムやアプリケーションに求められるニーズは高度化・複雑化しています。
また、インターネットによる直販はもちろん、銀行窓口や専門的な代理店の台頭により、販売チャネルも多様化しています。それぞれのチャネルの特性に合わせた商品の提供やサポート体制の拡充を図るため、チャネルごとに異なるサポートシステムなどを開発・拡充するケーズも急増しています。
そのため、システムやアプリケーションの開発規模は拡大傾向にあり、その一方、きめの細やかな使い勝手や機能を実現するために、開発工数は増加の一途をたどっています。さらに、激化するマーケットにおいて競争力を維持するためには、短期間での開発・改修にも対応していかなければなりません。
開発リソースの強化・増加を図り、並行開発を進めることで対応してきました。しかし、オフショア・ニアショアも含め開発拠点の拡大・分散が進み、人員の出入りが激しくなったことで、情報共有やプロジェクトの管理の負担がボトルネックとなり、成果物の品質低下や開発効率の低下を招きかねないケースも見られるようになってきました。
日本生命グループでは、大樹生命、開発パートナー、大樹生命アイテクノロジーという3社でスムーズに情報共有をしていかなければなりませんので、プロジェクト管理ツールの導入を検討するようになりました。
プロジェクト管理ツールに注目・期待したポイントは次の通りです。
これまでは、気心の知れたメンバーが、1つの拠点で、直接、顔を見合わせながら開発を進められたので、メンバー間のコミュニケーションやプロジェクトの管理が負担だと感じることはほとんどありませんでした。
しかし、開発メンバーが増え、拠点が分散し、複数のプロジェクトが同時並行で進むようになると、メールや電話、Web会議などによるコミュニケーションの非効率な部分が目立つようになり、情報の共有・管理が大きな負担となってきました。
現場のスタッフや管理者に負担をかけず、プロジェクトの活動内容を可視化し、メンバー間での情報共有やコミュニケーションを促進するために、専門的なプロジェクト管理ツールの活用が有用だと考えました。
管理項目や基準といったルールが統一されていないと、情報の整合性が取れません。これまでも、WBSなどに最小限のルールを設けていましたが、全体的な整合性が取れず、全社横断的な管理や分析に大きな手間と時間を費やしていました。
全社統一のツールを導入することで評価軸の整合性を図ると同時に、管理・分析の自動化や効率化を推し進め、品質向上や改善に注力できる体制を維持していきたいと考えました。
主な 選定要件は次の通りです。
現場の意見も聞き、細部にわたり時間をかけて現状の開発プロセスに適用できるかどうかを検証しました。
採用を決めた主なポイントは、次の通りです。
全社的な利用を開始してまだ間もないので効果は限定的ですが、今後達成できるであろう成果や、さらに高めることができるであろう効果は、次の通りとなります。
できるだけJiraとWBSガントチャートの標準機能で、これまでの業務を実現したいと考えていました。しかし、現場からの要望などを受けて、標準機能だけでは実現するのが難しい機能や現場からの要望を受け、SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)や担当者ごとの作業割合や負担を自動計算する機能などを、独自にカスタマイズ(開発)しました。
また、リックソフトの研修サービスなども利用しながら、Jiraの操作説明会やBitbucketの研修会などを開催するとともに、社内にサポートサイトも開設しています。
いずれも苦労ということではありませんが、ツールを導入しただけで終わりではなく、利用を促し、スムーズに現場への浸透を図り、導入効果を高めるための施策として実施しています。
これまでも取り組んできたことではありますが、従来のウォーターフォール型の開発スタイルにアジャイル型開発を適用しながら、品質や生産性の向上を実現していきたいと考えています。今回のツールの導入によって、その取り組みをより進めていきたいと考えています。
リックソフトが開催するアトラシアン製品のセミナーなどにも参加して、各ツールの導入効果をさらに高めていきたいと思っています。これからもアトラシアン製品のスペシャリストとして、高度かつ丁寧なサポートに期待しています。