「アジャイルだけでなく、ウォーターフォール
型の開発においてもJiraの活用を推進するため、
リックソフトに社内研修を実施してもらいました。」
株式会社インテージテクノスフィア
株式会社インテージテクノスフィア(以下、インテージテクノスフィア)では、Jira Software、およびWBS Gantt-chart for Jiraの導入にあたり、お客様の要望にあわせたウォーターフォール型の開発プロセスにあわせた実践レベルでの活用を促進するため、リックソフトが提供する「導入支援サービス」、および「研修サービス」を利用しました。その経緯とねらいについて、株式会社インテージテクノスフィア AI・データビジネス本部 デジタルビジネス開発部 部長 岩渕 久氏 (写真右)、リサーチテクノロジー本部 リサーチシステム二部 第3グループ グループリーダー 鮫島 晋一郎氏(写真左)、ビジネスインテリジェンス事業本部 コンテンツBI部 ライブラリープロジェクト推進グループ 岸本 航氏(写真右から2人目)、AI・データビジネス本部 デジタルビジネス開発部 基盤開発グループ 濱咲 弥佳氏(写真左から2人目)、リサーチテクノロジー本部 リサーチシステム1部 第3グループ 大塚 隼人氏(写真中央)に詳しく聞きました。
マーケティングリサーチ業界国内No.1のインテージグループにおいてIT事業を担う。1960年創立以来、散在するビジネスデータや市場データを、システム会社にはないマーケティング視点から分析し、さらに分析環境のシステム化により、意思決定に役立つ情報に変換する仕組みづくりをサポートしている。加えて、グループ創業時から積み重ねてきたデータハンドリングのスキル、多量化多様化するデータを最適な統計手法で分析するノウハウ、そしてそれらをシステム化する技術力をもって、顧客のデータ活用における新たな価値を生み出している。
インテージテクノスフィアでは、Jira Software(以下、Jira)をはじめ、WBSガントチャート for Jira(以下、WBSガントチャート)、Confluence、Bitbucket Server(以下、Bitbucket)といったアトラシアン製品および関連製品を導入しています。導入したライセンスのユーザー数は次の通りです。
製品名 | ライセンス数 |
---|---|
Jira | 500 |
WBS Gantt-chart for Jira | 500 |
Confluence | 2000 |
Bitbucket | 500 |
JiraやWBS Gantt-chart for Jira、Bitbucketは、社内標準ツールとして、各開発プロジェクトのタスク管理や進捗管理、要件定義などに利用しています。現時点では、あくまで推奨という位置づけですので、これまで利用してきたツールなどがあればそのまま利用している場合もありますし、それらのツールとJiraなどを組み合わせて利用しているケースもあります。
Confluenceについては、情報共有ツールとして開発部門に限らず、ヘルプデスクや運用管理等でも利用しています。
当社では部署ごと、さらにはプロジェクトごとに開発するシステムや環境が異なります。たとえば、受託開発を主軸としている部署もあれば、自社製品を主軸としている部署も、またインテージグループからのシステムを開発している部署もあります。また、受託開発の場合はウォーターフォール型で開発している場合がほとんどですが、自社製品やグループ企業向けではアジャイル型で開発を進めているケースも増えてきました。
また、これまでは部署ごとや開発プロジェクトごとに最適化やツールの選択をしてきました。また一部、タスク管理などが徹底されていないプロジェクトもありました。そのような状況下で、トップダウンによる強制的な開発環境の統一を図ろうとすれば、進行中の業務に悪影響を与えることにもなりかねません。そこで、各部署から代表者が集まり委員会を作り、委員会が推奨するツールを提示するというスタイルを取っています。
今後は、アトラシアン製品に限らず段階的に、全社的な開発環境の最適化や効率化、標準化を促進していきたいと考えており、今回、リックソフトに導入サポートや研修を依頼したのは、そのような取り組みの一環となります。
導入支援サポートに関しては、約3カ月間、週に一度の割合でリックソフトのエンジニアの方に来社してもらい、わからないことや実際の開発プロジェクトにおける利用方法を、その場で聞いて教えてもらうというスタイルでの支援をお願いしました。
社内にはJiraが使えるならすぐに使いたいという開発者も数多くいましたので、まずは、彼らがスムーズに使い始められるようにするだけでなく、社内にJiraを活用した事例を作ることで、他の開発者にも興味を持ってもらいたいという思いもありました。
研修サービスは、2017年3月と2018年3月の計2回実施したのですが、それぞれねらいは異なります。
第一回目の研修に関しては、Jiraの良さを知ってもらうというのが大きな目的でした。そのため研修の前半では、Jiraの基本的な使い方などはもちろん、利用するメリットや価値、他のタスク管理ツールなどとの違いなどを紹介してもらいました。
その上で研修の後半では、社内における事例の発表やディスカンションなどを中心に、理解と興味を深める内容としてもらい、具体的に利用価値があることを認識してもらったり、成果を実感してもらえるようにしました。
第二回目の研修に関しては、ウォーターフォール型の開発においてプロジェクトを適正に管理・運営するためのJiraの活用とアトラシアン製品の連携に主題を絞って研修をお願いしました。
Jiraというとアジャイルのイメージが強く、機能面や情報も充実しているのですが、一方、ウォーターフォール型の開発における活用例などはあまり情報がなかったので、JiraのアドオンであるWBSガントチャートの活用を含め、当社の開発環境に合わせた形での研修を依頼しました。
また、各ツールの利用は確実に浸透してきましたが、単体での利用にとどまっているケースも多く見られたので、ツール連携の仕方やそのメリットなどについて実践レベルでの研修も依頼をしました。
とても好評で、第一回目の研修後に受講者の話を聞くと、Jiraの利用価値や実現できることを実感できたことで、「プロジェクト全体と各担当者個人の進捗が容易に管理・確認・共有できるようになり、負荷状況も見えるようになったからこそ、メンバー間で助け合いができるようになった」とか、「簡単に共有情報やメモを残せるようになったことでコミュニケーションが深まり、Jiraを導入する前よりアナログでのコミュニケーションも増えた」など、Jiraの間口を広げるという点に関して、大きな成果につながったと捉えています。
第二回目の研修に関しては、WBSガントチャートによるプロジェクト管理方法など、実際の開発プロセスに合わせた実践的な内容だったので、受講したプロジェクト管理者にとっては、とても有意義な内容だったと思います。また、ブロック玩具を使ったワークショップなども独自性があり、とても好評でした。
まず、大枠の基本ルールを設定するという取り組みを行いました。共通の基盤があっても、それぞれ勝手に使っていては導入効果も半減してしまいますし、実際、利用ルールを定めておかないと、プロジェクトの情報や状態がわかりにくくなってしまうという声も上がっていました。
そのため、大枠のルールを設定し、研修に受講したメンバーの中から管理者を立てて、ルールも必要に応じて見直しながら運用を進めています。
普及という点に関しては、各部門メンバーの協力が必要不可欠です。ツールを積極的に活用している開発チームが効果を出せば、周辺の開発チームやメンバーが自分たちも使ってみようという口コミ的に広がったり、「Jiraは便利だ」と社内で宣伝することで利用が広がったり、ベテランが積極的に使ってくれるとそれに刺激を受けて若手も使うようになったりするといった様々な広がりがありました。
今回、大きな組織変更があり、Jiraを積極的に活用していた部門のメンバーと、まだ活用していなかった部門のメンバーが、良い具合にシャッフルされて、Jiraの利用率が高まったという、思わぬ広がりもありました。
今後は、さらにアトラシアン製品の活用を広げて、グループ会社などとの情報共有にも活用できればと考えています。
研修の実施にあたり、都度、私たちの求めていることを的確に理解し、積極的な提案や工夫もしてくれました。講師の説明もわかりやすく、上から教えるという雰囲気ではなく、同じ開発者目線で接してくれるので受講者からの評判もとても良いです。
リックソフトにはこれからもアトラシアン製品の活用だけでなく、当社の開発の効率や品質を向上させる情報提供や提案に期待しています。